Title:酔いの口から
年度:2024年
著者:日芸文芸学科 楊ゼミ
2025年1月13日
20:30
くるくると調子よく回っていたはずの赤エンピツが勢いよく手から飛んでいって、カツンと床に落ちた。
拾い上げてみると、打ちどころが悪かったらしく、芯が根本から綺麗に折れてしまっている。これじゃ、丸つけができない。
激萎え……。
思わず、お母さんみたいなため息が出る。学童の友達(5年生で、年上で、超かっこよくて、ゲームが上手い。頭もいい。運動神経もいい)がやっているのを見て、ぼくもこっそり練習しだしたエンピツ回し。一ヶ月ぐらいやり続けて、最近はやっとうまく回せるようになってきたけど、まだまだ安定感が足りてない。あいつみたいに人前で披露するためには、もっともっと練習が必要だ。
__とりあえず、削り直そう。丸つけがまだ途中だ。床に放りっぱなしのランドセルを開けて、筆箱を取り出した。パカッと……あれ、ない。裏側も開いてみる。こっち側にもない。どこ行った。ランドセルから教科書を全部出して底を見ても、ない。全然ない。机の上にも、引き出しにも、もちろんない。
「あれ、」と首をひねるのと同時に、ぼ〜んやり金曜日の記憶が蘇ってくる。たしか、休み時間、教室のゴミ箱の上でエンピツを削ってて……途中でチャイムが鳴って先生が来ちゃったから、慌てて席に戻って……その時、あのエンピツ削り、筆箱に戻さずに机に突っ込んだような……そんで、それを取り出して筆箱に戻した記憶は、全然ないような……。
「…………」
激萎え。超・超激萎え。
__まぁいいや。丸つけだけだし、あと数問だし、明日の朝学校でやろっ。
机の上のドリルを閉じて、床に散乱した教科書もちゃんとまとめて、全部ランドセルにしまい直す。
時計を見ると、まだ八時半。寝るにはちょっと早すぎる。とはいえ、お母さんとお父さんはどうせ今日も0時まで帰ってこないし、好きなテレビも宿題をやっている間に終わっちゃってるし、やることがない。暇だ。
ユーチューブでも見るか、と、リビングのパソコンの前に座ったところで、ふと、お母さんがこんなことを言っていたのを思い出す。
「店のカメラをねぇ、新調したの」
「しんちょーってなに?」
「新しくしたってこと。前のはおじいちゃんの代から使ってた古いカメラだったから、映像がガビガビで、見にくかったでしょ。だから、思いきって変えたのよ。お高かったけどね、すっごく綺麗に映るようになったの。寂しくなったらそれを見るのよ」
ぼくんちの一階は居酒屋だ。そして、お父さんとお母さんはそこの店員さん。お店は遅い時間までやってるから、ぼくは毎日、学童から帰ってきたあとは寝るまで一人でいなきゃいけない。幼稚園の頃はおばあちゃんが一緒に留守番してくれたけど、おばあちゃんは二年前に死んでしまった。
そこで、お母さんが、家のパソコンから店の監視カメラの映像を見れるようにしてくれた。
好きな時に見ていいよって。
一人ぼっちはさみしい。今日みたいに寒い夜はもっと嫌だ。だけど、お父さんとお母さんが一生懸命仕事しているのを見たら、少しだけ元気が戻ってくる。おばあちゃんが死んじゃってすぐの頃は、毎日何時間もパソコンの前に座って映像を眺めていた。
今は三年生になって、留守番をさみしいと思うことも減って、最近はあまり見ていなかったけど……久しぶりに、見てみようかな。
お店にある監視カメラは、全部で六つ。レジ前と、カウンター席と、テーブル席と、三個ある個室に一つずつ。お母さんたちは、大体いつもカウンター席のカメラに後ろ向きで写ってる(つまり、カウンターの中の厨房にいるってこと)。今日は、バイトのお姉さんも一緒だ。
お母さんの言うとおり、画質がかなりよくなっている。お客さん一人一人の表情まで見えるぐらい。今日のお客さんは__あ、常連の派手なお爺さんが個室にいる。カウンターにも、見覚えのあるお客さんが何人か座ってるな。あとは、テーブル席に、お兄さんお姉さんのグループが一組。……もしかして、あれが、今朝お父さんの言ってた、「新成人のお客さんの予約が入ってる」ってやつかもしれない。
新成人。つまり、今日、成人式をした人たちってことだ。
ぼくはまだ八歳だから、成人するには……あと十年もある。それに、成人するのは十八歳だけど、成人式をやるのは二十歳のときらしいから、あのお兄さんたちに追いつくには、あと十二年も必要ってことだ。ぼくが生きてきた時間よりももっともっと長い時間が。
想像がつかなくて、少しドキドキしてくる。
__成人になるって、どんな気持ちなんだろう。
学校は、高校じゃなくて……きっと大学生だよね。大学って楽しいのかな。宿題はむずかしいのかな。お酒はおいしい? タバコも吸ったことある? エンピツは上手に回せる? ひとりでも寂しくない? ぼくも成人する頃には、もう留守番しなくてよくて、お母さんたちと一緒に働ける?
ズーム機能を使って、テーブル席のお客さんをアップにしてみる……
20:30
くるくると調子よく回っていたはずの赤エンピツが勢いよく手から飛んでいって、カツンと床に落ちた。
拾い上げてみると、打ちどころが悪かったらしく、芯が根本から綺麗に折れてしまっている。これじゃ、丸つけができない。
激萎え……。
思わず、お母さんみたいなため息が出る。学童の友達(5年生で、年上で、超かっこよくて、ゲームが上手い。頭もいい。運動神経もいい)がやっているのを見て、ぼくもこっそり練習しだしたエンピツ回し。一ヶ月ぐらいやり続けて、最近はやっとうまく回せるようになってきたけど、まだまだ安定感が足りてない。あいつみたいに人前で披露するためには、もっともっと練習が必要だ。
__とりあえず、削り直そう。丸つけがまだ途中だ。床に放りっぱなしのランドセルを開けて、筆箱を取り出した。パカッと……あれ、ない。裏側も開いてみる。こっち側にもない。どこ行った。ランドセルから教科書を全部出して底を見ても、ない。全然ない。机の上にも、引き出しにも、もちろんない。
「あれ、」と首をひねるのと同時に、ぼ〜んやり金曜日の記憶が蘇ってくる。たしか、休み時間、教室のゴミ箱の上でエンピツを削ってて……途中でチャイムが鳴って先生が来ちゃったから、慌てて席に戻って……その時、あのエンピツ削り、筆箱に戻さずに机に突っ込んだような……そんで、それを取り出して筆箱に戻した記憶は、全然ないような……。
「…………」
激萎え。超・超激萎え。
__まぁいいや。丸つけだけだし、あと数問だし、明日の朝学校でやろっ。
机の上のドリルを閉じて、床に散乱した教科書もちゃんとまとめて、全部ランドセルにしまい直す。
時計を見ると、まだ八時半。寝るにはちょっと早すぎる。とはいえ、お母さんとお父さんはどうせ今日も0時まで帰ってこないし、好きなテレビも宿題をやっている間に終わっちゃってるし、やることがない。暇だ。
ユーチューブでも見るか、と、リビングのパソコンの前に座ったところで、ふと、お母さんがこんなことを言っていたのを思い出す。
「店のカメラをねぇ、新調したの」
「しんちょーってなに?」
「新しくしたってこと。前のはおじいちゃんの代から使ってた古いカメラだったから、映像がガビガビで、見にくかったでしょ。だから、思いきって変えたのよ。お高かったけどね、すっごく綺麗に映るようになったの。寂しくなったらそれを見るのよ」
ぼくんちの一階は居酒屋だ。そして、お父さんとお母さんはそこの店員さん。お店は遅い時間までやってるから、ぼくは毎日、学童から帰ってきたあとは寝るまで一人でいなきゃいけない。幼稚園の頃はおばあちゃんが一緒に留守番してくれたけど、おばあちゃんは二年前に死んでしまった。
そこで、お母さんが、家のパソコンから店の監視カメラの映像を見れるようにしてくれた。
好きな時に見ていいよって。
一人ぼっちはさみしい。今日みたいに寒い夜はもっと嫌だ。だけど、お父さんとお母さんが一生懸命仕事しているのを見たら、少しだけ元気が戻ってくる。おばあちゃんが死んじゃってすぐの頃は、毎日何時間もパソコンの前に座って映像を眺めていた。
今は三年生になって、留守番をさみしいと思うことも減って、最近はあまり見ていなかったけど……久しぶりに、見てみようかな。
お店にある監視カメラは、全部で六つ。レジ前と、カウンター席と、テーブル席と、三個ある個室に一つずつ。お母さんたちは、大体いつもカウンター席のカメラに後ろ向きで写ってる(つまり、カウンターの中の厨房にいるってこと)。今日は、バイトのお姉さんも一緒だ。
お母さんの言うとおり、画質がかなりよくなっている。お客さん一人一人の表情まで見えるぐらい。今日のお客さんは__あ、常連の派手なお爺さんが個室にいる。カウンターにも、見覚えのあるお客さんが何人か座ってるな。あとは、テーブル席に、お兄さんお姉さんのグループが一組。……もしかして、あれが、今朝お父さんの言ってた、「新成人のお客さんの予約が入ってる」ってやつかもしれない。
新成人。つまり、今日、成人式をした人たちってことだ。
ぼくはまだ八歳だから、成人するには……あと十年もある。それに、成人するのは十八歳だけど、成人式をやるのは二十歳のときらしいから、あのお兄さんたちに追いつくには、あと十二年も必要ってことだ。ぼくが生きてきた時間よりももっともっと長い時間が。
想像がつかなくて、少しドキドキしてくる。
__成人になるって、どんな気持ちなんだろう。
学校は、高校じゃなくて……きっと大学生だよね。大学って楽しいのかな。宿題はむずかしいのかな。お酒はおいしい? タバコも吸ったことある? エンピツは上手に回せる? ひとりでも寂しくない? ぼくも成人する頃には、もう留守番しなくてよくて、お母さんたちと一緒に働ける?
ズーム機能を使って、テーブル席のお客さんをアップにしてみる……
執筆者: 管理人
| 2024/11/12 16:51
20:45
金髪のお客さんが勢いよく立ち上がって、他のお客さんがびっくりした顔になった。
なんだろう、なにか喧嘩でもしてるのかな……。
嫌な予感がして、厨房の方のカメラをアップにした。お父さんはいつも通り淡々と料理していて、その横では、お母さんも鍋を作っている。口はうっすら笑ってるけど、目はじっとコンロの火を睨みつけてる。
首の後ろが急に寒くなってきて、亀みたいにギュッと肩をすぼめる。
……お母さん、キレそう……。
そりゃそうだ。今日はいつにも増して変なお客さんが多い。急に立ち上がる人、怒ってる人、しょっちゅうお母さんたちを呼びつける人(多分だけど、クレーマーってやつだと思う)、知らん顔してお酒を飲み続ける人……さっきから、バイトのお姉さんがアリみたいに店中をウロウロしていて、かわいそうだ。
何より、個室のお爺さんがひどい。お店でギターを弾く人なんて初めて見た。監視カメラ越しには音もないのに、こっちまで耳を塞ぎたくなってくる。お母さんとバイトさんが何回か注意しに行ってるけど、ちっとも聞いてないっぽいし、それどころか、そのうち机の上に乗り上げそうなくらいどんどん盛り上がってるのがわかる。
もしお母さんがキレるとしたら、99.9999パーセントはこのお爺さんのせいになるんじゃないかな?
お母さんがキレるのはまずい。ぼくが怒られてるんじゃなくても、なんかまずい。
__お爺さん、これ以上暴れないでよ!
個室の映像を、ぼくも睨みつける__
金髪のお客さんが勢いよく立ち上がって、他のお客さんがびっくりした顔になった。
なんだろう、なにか喧嘩でもしてるのかな……。
嫌な予感がして、厨房の方のカメラをアップにした。お父さんはいつも通り淡々と料理していて、その横では、お母さんも鍋を作っている。口はうっすら笑ってるけど、目はじっとコンロの火を睨みつけてる。
首の後ろが急に寒くなってきて、亀みたいにギュッと肩をすぼめる。
……お母さん、キレそう……。
そりゃそうだ。今日はいつにも増して変なお客さんが多い。急に立ち上がる人、怒ってる人、しょっちゅうお母さんたちを呼びつける人(多分だけど、クレーマーってやつだと思う)、知らん顔してお酒を飲み続ける人……さっきから、バイトのお姉さんがアリみたいに店中をウロウロしていて、かわいそうだ。
何より、個室のお爺さんがひどい。お店でギターを弾く人なんて初めて見た。監視カメラ越しには音もないのに、こっちまで耳を塞ぎたくなってくる。お母さんとバイトさんが何回か注意しに行ってるけど、ちっとも聞いてないっぽいし、それどころか、そのうち机の上に乗り上げそうなくらいどんどん盛り上がってるのがわかる。
もしお母さんがキレるとしたら、99.9999パーセントはこのお爺さんのせいになるんじゃないかな?
お母さんがキレるのはまずい。ぼくが怒られてるんじゃなくても、なんかまずい。
__お爺さん、これ以上暴れないでよ!
個室の映像を、ぼくも睨みつける__
執筆者: 地の文ムカデ
| 2024/11/24 13:14
辻元 雷
そんで、姉ちゃんなんの音楽聴くん? 最近のJ‐POP? それともテクノ系か? あ! 最近はK‐POPっちゅうのもあるのか……。
(11/25 13:14)
花村 夏樹
あ、いやその、静かな!静かなものが好きです!ですのでなるべくlowで、お願いします……ギターはミュートで、ボイスはlowです!
(11/25 13:15)
小林 賢二
あの店員口調がジジイにつられてる笑
(11/25 13:16)
忠野 太郎
こっちも落ち着きましょうよ、他の客見てますし
(11/25 13:18)
瀬田 樹里
ここダル客多くてかわいそー
(11/25 13:18)
辻元 雷
ほう、あんまり歌入ってるやつは聞かないのか! インスト趣味とは若いのに変わってるなぁ……!
(11/25 13:18)
仲河 人志
おい、太郎! 服掴むんじゃねーよ。赤髪に文句言いに行けないだろうが!
(11/25 13:18)
忠野 太郎
乱闘騒ぎなんてまっぴらごめんです
(11/25 13:18)
赤塚 愛笑
ねぇ、店員さんさぁ。
うっさいって、声量とかの問題じゃないって、わかってるよね?何とかしてよ。 (11/25 13:19)
うっさいって、声量とかの問題じゃないって、わかってるよね?何とかしてよ。 (11/25 13:19)
飯村 彩夏
私のレモンサワーってまだ時間かかります?
(11/25 13:20)
花村 夏樹
ひとが苦手なんです、苦手な自分が嫌だからここでアルバイトを始めたんです、失礼だとは、その、存じていますが、どうかギターではなく語らいで、お願いします…
(11/25 13:20)
花村 夏樹
れ、レモンサワーすぐお持ちします!
(11/25 13:21)
飯村 彩夏
お願いしますね、酔い覚めてきちゃってきついんで
(11/25 13:23)
坂本 冬美
もう、さっきから迷惑客ばかり! 手もアカギレだらけで痛いのに……!)
(11/25 13:23)
忠野 太郎
……一旦落ち着きましょう
(11/25 13:24)
仲河 人志
たっく……。ビールと枝豆まだかよ!
(11/25 13:24)
辻元 雷
そうだったのか。それは苦労してるなぁ。わかったわかった。それなら、わしはもう弾かん! ただ、ひとつお願いしたいことがあるんだが……。
(11/25 13:24)
花村 夏樹
すみません、お待たせしました…レモンサワーです。そうですよね、ぼんやりしているのが一番、心地いいですもんね、
(11/25 13:24)
花村 夏樹
ありがとうございます!私にできることでしたらお申し付けください
(11/25 13:25)
瀬田 樹里
あ、ビールうちもおかわり欲しいー
(11/25 13:25)
飯村 彩夏
ありがとうございます、ほんともう飲まなきゃやってられないって感じなのよ
(11/25 13:25)
忠野 太郎
おい言ったそばから……
(11/25 13:25)
赤塚 愛笑
店員さん!!!注文早くしてよ!!!
(11/25 13:25)
花村 夏樹
お、女将、、、助けてください、もう、無理です、ギター爺さん落ち着かせるので限界です(耳打ち)
(11/25 13:27)
坂本 冬美
すみません、すぐお持ちいたします!
(11/25 13:27)
辻元 雷
我はな、姉ちゃんになんか音楽的な情熱を感じるんだ。苦労も沢山してきたと思うしなぁ……。だからここでひとつ姉ちゃんの音楽を奏でてみてくれ!
(11/25 13:27)
花村 夏樹
び、ーるとえだまめです!お待たせいたしまた、
(11/25 13:27)
仲河 人志
やっときた
(11/25 13:28)
花村 夏樹
えっあ、わたしの、音楽ですか…その、そう言ってくださるのは嬉しいのですけど、演奏は、店内ですし…
(11/25 13:29)
仲河 人志
お、なんかあっちでやってるな
(11/25 13:30)
坂本 冬美
お待たせしました! モツ鍋です!
(11/25 13:30)
辻元 雷
いや、あんたには何か言いたいことがあるだろう! 我にはわかる! その思いの丈をギターに乗せてみてくれ!
(11/25 13:30)
花村 夏樹
お、女将、わたし、これでいいって言うのなら、いいですか、わたし、わたし、このままじゃなきそうで
(11/25 13:31)
赤塚 愛笑
害悪じじぃで草。てかまた私の注文遅れるじゃん。勘弁しろよクソ客がよ……。
(11/25 13:32)
飯村 彩夏
お姉さんアコギ弾けるの?ならバラード系がいいわ
(11/25 13:32)
忠野 太郎
はぁ……行ってみる?
(11/25 13:32)
坂本 冬美
お客様、何度も申し上げますが、そろそろお静かにしていただけないでしょうか? 店員も非常に迷惑していますので
(11/25 13:33)
花村 夏樹
少しだけ、拙いですけど、(アコギをひきだす)
(11/25 13:34)
小林 賢二
この曲知ってる?
(11/25 13:35)
仲河 人志
知らねー。けど、まぁまぁ上手いじゃん
(11/25 13:36)
辻元 雷
ふむ……。うんうん。
(11/25 13:37)
花村 夏樹
(演奏終わり)これは私が二年前くらいに書いた曲です…
(11/25 13:37)
赤塚 愛笑
ねぇ、おじいさん。店内での音楽はやめてくれません、みんな迷惑してるんで。
(11/25 13:37)
忠野 太郎
そうだね、うまいね
(11/25 13:37)
飯村 彩夏
静かでっ、優しくてっ、いいわねっ、っひっく
(11/25 13:37)
中条 誠広
いい曲ですね(静かに拍手する)
(11/25 13:38)
飯村 彩夏
泣けてきちゃったわ
(11/25 13:38)
赤塚 愛笑
ぅげ、マジかよ。居酒屋で音楽だぞ?迷惑行為だろ。
感動してないで止めろよ……。 (11/25 13:38)
感動してないで止めろよ……。 (11/25 13:38)
花村 夏樹
わたしは、この居酒屋の仕事もうまくできないし、私が大切にしたいことは何も上手くいきません。でも、なんとかできるようにしたいんです。
ご理解、いただけましたか…? (11/25 13:39)
ご理解、いただけましたか…? (11/25 13:39)
辻元 雷
うん、なるほど。すばらしい……! 近頃のチャートに乗るような曲よりずっとずっと良いじゃないか!
(11/25 13:39)
仲河 人志
おいおい。赤髪さんよー。お前は芸術ってもんをなにも分かってないな
(11/25 13:39)
赤塚 愛笑
はぁ!?
何大か知らないけど、浪人してるような奴に芸術語られたくないから! (11/25 13:40)
何大か知らないけど、浪人してるような奴に芸術語られたくないから! (11/25 13:40)
花村 夏樹
嬉しいです。音楽やめてから人に聴かせるなんて二年ぶりだったので、ダメってわかってても、人に聞いてもらうのは楽しいの、思い出せました。
どうか静かに、素敵なお時間を、お願いします。 (11/25 13:41)
どうか静かに、素敵なお時間を、お願いします。 (11/25 13:41)
瀬田 樹里
うちらの会話めちゃくちゃ聞いてんじゃんキモー
(11/25 13:42)
忠野 太郎
ちょっ落ち着い……もう、勝手にしてください
(11/25 13:42)
赤塚 愛笑
人に迷惑かけるような過激なことやってりゃバズるとか、芸術って言葉でイキってんじゃねーよ!!
(11/25 13:42)
坂本 冬美
(誰か私の話聞いてよ…..)
(11/25 13:42)
赤塚 愛笑
他人に理解されないことを相手のせいにしやがって。
(11/25 13:42)
小林 賢二
瀬田言い過ぎ笑
(11/25 13:43)
忠野 太郎
(安全そうなとこ探そ……あそこの感動してる2人のとこでいいか)
(11/25 13:43)
仲河 人志
はぁ。お前みたいに頭の色変なやつに言われたくねぇよ
(11/25 13:43)
辻元 雷
あいや、わかった。他に何も言わなくて良い。姉ちゃんの奏でた音がすべてが込められている。他の人の迷惑になることもやめようじゃないか。ああ、それと姉ちゃんにこれを渡しておこう……。
(11/25 13:43)
小林 賢二
お姉さんさらに怒っちゃったじゃん
(11/25 13:43)
花村 夏樹
(結局少し自信が帰って来ても、こういう人がほとんどで、私じゃどうにもできないんだなぁ)
(11/25 13:44)
瀬田 樹里
あのヘアアクセうちの二歳児とオソロでウケる
(11/25 13:44)
赤塚 愛笑
あたまの色が明るいのは地毛だバカ!
お前こそ人の外見にしかケチ付けられないやつが芸術なんてやんな! (11/25 13:44)
お前こそ人の外見にしかケチ付けられないやつが芸術なんてやんな! (11/25 13:44)
小林 賢二
ほんとのこと言ってあげないの笑
(11/25 13:44)
花村 夏樹
これは…?
(11/25 13:45)
忠野 太郎
そこのおじさんとお姉さん、ちょっと一緒に飲みませんか?
(11/25 13:45)
赤塚 愛笑
外見ばっかりちゃらちゃらやってりゃ男にも逃げられて。
それで私の見た目をディスるな金髪! (11/25 13:45)
それで私の見た目をディスるな金髪! (11/25 13:45)
辻元 雷
これは我の名刺だ。我な、最近「NEON」っていうレーベルの会社を立ち上げたんだが、姉ちゃんそこでアルバムを出してみないか?
(11/25 13:46)
小林 賢二
このお姉さんいいことないんだよきっと
(11/25 13:46)
仲河 人志
居酒屋で人の話聞いてるやつとか、ろくな仕事にも就いてねーんだろうな
(11/25 13:46)
飯村 彩夏
私?いいわよ、飲みましょ
(11/25 13:47)
瀬田 樹里
その歳でローツインテはやばいでしょ
うちが髪いじってあげよっかー? (11/25 13:47)
うちが髪いじってあげよっかー? (11/25 13:47)
花村 夏樹
すすすす、スカウトですか?!
(11/25 13:47)
小林 賢二
いいじゃん!!
少しは可愛くなるかも! (11/25 13:48)
少しは可愛くなるかも! (11/25 13:48)
赤塚 愛笑
……浪人無職すねかじりの才能なしよりは、ましな仕事だと思ってますけどね。
(11/25 13:48)
赤塚 愛笑
もとはと言えばお前らが後ろでギャーギャーうるせえからだろうがよ!
(11/25 13:49)
花村 夏樹
わたし、ここで音楽したら、ここにいる人みんなに聞いてもらえるように、なれますか?
(11/25 13:49)
忠野 太郎
さっきの曲良かったですね
(11/25 13:49)
瀬田 樹里
てかいいんちょーナンパしにいった?やるじゃん
(11/25 13:50)
辻元 雷
あぁ! ここにいる人だけでなく、姉ちゃんの音楽は必ず大勢の人の心に訴えることができる! さっきの弾き語りを聴いて確信した。だからもしあんたが興味あればぜひ、ウチのスタジオに来て曲を書いてくれ!
(11/25 13:50)
飯村 彩夏
そうね、私今すごく落ち込んでるから心に沁みちゃったわ
(11/25 13:51)
忠野 太郎
この喧嘩がなければ完璧でしたけど
(11/25 13:52)
坂本 冬美
もう、いいかげんにしてくださいませんか? 店員にも業務があります、関わらないでほしいんですが
(11/25 13:52)
赤塚 愛笑
あぁ、うっざ……。
てかちげ。ちょ、店員さん!いつまで曲弾いてんの!枝豆とサラダは!? (11/25 13:52)
てかちげ。ちょ、店員さん!いつまで曲弾いてんの!枝豆とサラダは!? (11/25 13:52)
花村 夏樹
わたし、まだ、音楽して許されるのなら、ぜひ、やりたいです…!
(11/25 13:52)
仲河 人志
は、お前。逃げてんじゃねーよ。まだ話が終わってねーだろうが
(11/25 13:53)
飯村 彩夏
ふふっ、そうね、金髪君は何かの集まりで来たの?
(11/25 13:53)
赤塚 愛笑
は、逃げてねーわ枯れ井戸。
(11/25 13:54)
忠野 太郎
成人式の同窓会です
お姉さんとおじさんはどうしてここに? (11/25 13:54)
お姉さんとおじさんはどうしてここに? (11/25 13:54)
花村 夏樹
えっあ、改めて連絡させていただきます!
枝豆とサラダすぐお持ちします! (11/25 13:54)
枝豆とサラダすぐお持ちします! (11/25 13:54)
中条 誠広
そうですね、良い曲でした。しかし、この事態は……見ているだけの私が言うのもなんですが、丸く収めないと……一体どうしたら……
(11/25 13:55)
仲河 人志
枯れ……。なんだよ。訳分かんねーこと言いやがって
(11/25 13:55)
飯村 彩夏
あら!若いのね。羨ましいわ。私は友人の結婚式の二次会が終わって、一人で飲みなおそうかなって。
(11/25 13:55)
坂本 冬美
いいかげんに静かにしないと業務妨害で警察に突き出しますが? よろしいですか?
(11/25 13:56)
辻元 雷
うむ、その意気だ! このメールに連絡してくれれば大丈夫だからな! 今から姉ちゃんがデビューするのが楽しみだ! (大声で)女将さぁん! モツ鍋まだぁ?
(11/25 13:56)
赤塚 愛笑
なんだよ。絵の才能がないんだろ、枯れ井戸。
ろくに勉強もしねーで美大にも落ちて。
お先真っ暗じゃん。それでよく私のこと馬鹿にできたなぁ。 (11/25 13:57)
ろくに勉強もしねーで美大にも落ちて。
お先真っ暗じゃん。それでよく私のこと馬鹿にできたなぁ。 (11/25 13:57)
花村 夏樹
ありがとうございます!
(11/25 13:58)
赤塚 愛笑
だいたい、センスのないやつこそ、自分が評価されないのを周りのせいにするんだよな。自己評価すら満足にできないでさ。
(11/25 13:58)
花村 夏樹
すみませんお待たせいたしました、枝豆とサラダです…
(11/25 13:58)
赤塚 愛笑
ありがとうございまーす
(11/25 13:59)
小林 賢二
そろそろ喧嘩やめろよ
店員さんテキーラ二つで! (11/25 13:59)
店員さんテキーラ二つで! (11/25 13:59)
仲河 人志
はぁ、じゃあお前はなにしてるってんだよ。絵が描けるのか?
(11/25 13:59)
花村 夏樹
承りましたー!
(11/25 13:59)
飯村 彩夏
丸く収めなくてもいいんじゃないかしら、何やら議論が盛り上がっているみたいですし
(11/25 13:59)
瀬田 樹里
賢二テキーラなんか飲むの?!
(11/25 14:00)
花村 夏樹
テキーラです
(11/25 14:00)
忠野 太郎
そうですよ、あいつらは満足いくまでやらせばいいんですよ、いつもそうだったんで
(11/25 14:00)
赤塚 愛笑
……お友達もああ言ってるし、もうやめたら?私に嚙みついてくるの。
(11/25 14:00)
辻元 雷
ああ、なんじゃなんじゃ女将さんか。すんませんねぇ。どうにも興が乗ってしまって……。
(11/25 14:00)
坂本 冬美
夏樹さん、このお客さんはいいから、そろそろ仕事に戻ってちょうだい。
(11/25 14:00)
小林 賢二
これ2人で飲みなよ
店員にも迷惑かけてんだし (11/25 14:01)
店員にも迷惑かけてんだし (11/25 14:01)
辻元 雷
あれモツ鍋はまだ、、、あ、もう来てましたな! いやホントすんません。もう騒ぎませんので。
(11/25 14:01)
飯村 彩夏
あらそうなの、ところで金髪君は大学生?
(11/25 14:02)
赤塚 愛笑
そうだよ。居酒屋で知らない客に急にけんか吹っ掛けるなんて、どんな思考してんだよ。やべーだろ普通に考えて。
(11/25 14:02)
仲河 人志
結局、お前はなんなのか言えないんだな
(11/25 14:03)
瀬田 樹里
飲ませんのね。仲直りはお酒が一番だもんね
(11/25 14:03)
坂本 冬美
わかっていただけたようで何よりです。じゃあ、夏樹さん、そろそろ仕事に戻ってくれるかしら?
(11/25 14:03)
赤塚 愛笑
はぁ?
それってあなたに言う必要ありますぅ? (11/25 14:03)
それってあなたに言う必要ありますぅ? (11/25 14:03)
忠野 太郎
そうですね、芸大生です、文芸ですけど
(11/25 14:03)
花村 夏樹
はい、すみません…
(11/25 14:04)
辻元 雷
おうおう女将さん、あと芋焼酎、ロックで追加してくれ。
(11/25 14:04)
仲河 人志
う、テキーラ一気飲みはキツい。吐きそう
(11/25 14:04)
坂本 冬美
私だけじゃ手が足りないから、お願いね? (ニッコリと笑いながら)
(11/25 14:04)
小林 賢二
さーいっちゃってー、いっちゃってー
(11/25 14:04)
仲河 人志
俺は飲んだぞ。赤髪さんよー
(11/25 14:04)
飯村 彩夏
あら!いいわね、しかも芸大なの!あのね、いい人は早く捕まえておかないと、私ぐらいの年になったとき、いい人はみんな結婚しちゃってるのよ!
(11/25 14:05)
花村 夏樹
ひっ…(ここ辞めるときなんて言おう…)
(11/25 14:05)
赤塚 愛笑
なに、これ私に飲ませようとしてんの?やば。
(11/25 14:05)
小林 賢二
うわ、この女シャバ
(11/25 14:07)
忠野 太郎
結婚かぁ……やっぱり結婚した方がいいんですかね?
(11/25 14:07)
瀬田 樹里
ノリ悪
(11/25 14:07)
赤塚 愛笑
え、は、いや。他卓の人に酒飲ませるとか、おかしいでしょ普通に。
(11/25 14:07)
仲河 人志
う。気持ち悪い
(11/25 14:08)
坂本 冬美
じゃあ、夏樹さん。枝豆とサラダ、赤髪のお客さんにお願いね。
(11/25 14:08)
赤塚 愛笑
え、おいそいつ……!
(11/25 14:08)
小林 賢二
友達いないの?居酒屋だとよくあるでしょ
(11/25 14:08)
仲河 人志
おえーーーーー
(11/25 14:09)
花村 夏樹
さっきもっていきました!
(11/25 14:09)
赤塚 愛笑
え、え、おい待て待て待て!!!
(11/25 14:09)
瀬田 樹里
ここ酒弱いやつしかいないのー?
(11/25 14:09)
花村 夏樹
ひいっ(げ、ゲロ処理私できない泣いた無理もらいゲロしたらどうしよう、うっ)
(11/25 14:10)
飯村 彩夏
うーん、そうねえ人によって幸せは色々だと思うけど、私は一生一人で生きていくのは無理だし、周りに取り残されるのが辛いから結婚したくって。私、3年付き合ってた人がいて、そろそろ結婚かなって思ってたのよ。なのに振られちゃって。
(11/25 14:10)
小林 賢二
ここで吐くなよ、ダル
(11/25 14:10)
瀬田 樹里
店員さん、タオルと水ちょーだーい!
うち片すー (11/25 14:10)
うち片すー (11/25 14:10)
赤塚 愛笑
おま……!
ふざっけんなよ!!!かかったじゃねーかゲロがよぉ!!!!! (11/25 14:11)
ふざっけんなよ!!!かかったじゃねーかゲロがよぉ!!!!! (11/25 14:11)
花村 夏樹
今持っていきます…!うっ
(11/25 14:11)
忠野 太郎
3年付き合ってそれは……キツいですね
(11/25 14:11)
坂本 冬美
(また始まった、もういい加減にしてほしいわね……)(火を睨みつけながら拳を振るわせる)
(11/25 14:11)
飯村 彩夏
ってええ!?誰か吐いてる!?大丈夫かしら
(11/25 14:11)
赤塚 愛笑
よえぇくせにイキってっからそうなんだろうがよ!っざけんな!!
(11/25 14:12)
飯村 彩夏
そうなのよ、もうアラサーだし、周りのいい人はみんなもう相手がいるし。
(11/25 14:12)
花村 夏樹
すみません、お客様なのに手伝っていただいて…
(11/25 14:12)
仲河 人志
あー。吐いてすっきりした
(11/25 14:12)
辻元 雷
おうおうおう、なんだかカウンターの方は盛り上がってるな。結構結構。
ところで女将さぁん!! 芋焼酎まだ? (11/25 14:13)
ところで女将さぁん!! 芋焼酎まだ? (11/25 14:13)
赤塚 愛笑
くっさ!きったね!おま、マジざけんなよ!?
(11/25 14:13)
21:00
蛇口をしめて、手をピッピと払う。鏡に映る顔はなんだか薄暗い。
タオルを無視してそのままパソコンの前に戻ると、お客さんの一人が席で吐いていた。
えぇ……。
おじいさんとバイトのお姉さんが大人しくなって、やっと安心してトイレに行ったのに……なにがあったんだろう。
居酒屋だから、吐く人自体は別に珍しくないけど、トイレ以外で吐かれるのはかなり迷惑だ。案の定、お母さんが小さく震えて怒ってる。
吐いてるのは、大学生のグループのうちの一人。本人だけはなんだかスッキリした顔をしてるけど(酔っ払いはいつもこうだ)、赤い髪のお客さんが自分の服を指差してめちゃくちゃ怒ってる。そんで、同じグループのお姉さんが、バイトさんと一緒にゲロを片付けてくれている。
なんで吐いちゃったんだろう?
あのお客さんたちは新成人だったはず。ということは、もしかして、初めてのお酒で無理をしてしまった……とか?
ぼくは居酒屋の子だし、クラスや学童のやつらよりも吐いてる人を見た回数は絶対に多い。なんなら、お父さんだって休みの日には飲みすぎてゲロゲロしてるから、ゲロはぼくにとってすごく身近な存在だ(なんて嫌なご近所さんなんだろう!)。
それでも、やっぱり、人が吐くのなんて見ていて楽しいもんじゃない。
臭いしダサいしカッコ悪い。
お母さんも言ってた。「自分の限界を超えて飲むのは馬鹿のすることだ」って(お父さんは、亀みたいに首を引っ込めながら「はい。はい」って頷いてた)。
ぼくだっていつか大人になったら、きっとお酒を飲むわけだけど、あんな馬鹿みたいな飲み方は絶対にしたくない。
ぼくは、もっと、はーどぼいるどでしりあるでキューティーな……いやキューティーはかわいいって意味か……とにかく、かっこよくお酒を飲める大人になるんだ。バーでシュッとグラスを遠くの席まですべらせて、「隣のお客様からです」って言えるような、そんな……。
そうだ! ちょうどいいところに、そんな感じの大人のお客さんたちがいる。カウンターの端っこで、静かにお猪口を傾けてるお客さん。なぜか、隣に大学生グループのお客さんが来てるけど……そのさらに隣の女性のお客さんも、なかなか大人っぽい。見ていて安心できる感じがある。間違えても、楽器を急に弾きだしたり、ゲロ吐いたりなんてしないだろう。
厨房の天井についているカメラをちょっと動かして、三人のお客さんをアップにした
蛇口をしめて、手をピッピと払う。鏡に映る顔はなんだか薄暗い。
タオルを無視してそのままパソコンの前に戻ると、お客さんの一人が席で吐いていた。
えぇ……。
おじいさんとバイトのお姉さんが大人しくなって、やっと安心してトイレに行ったのに……なにがあったんだろう。
居酒屋だから、吐く人自体は別に珍しくないけど、トイレ以外で吐かれるのはかなり迷惑だ。案の定、お母さんが小さく震えて怒ってる。
吐いてるのは、大学生のグループのうちの一人。本人だけはなんだかスッキリした顔をしてるけど(酔っ払いはいつもこうだ)、赤い髪のお客さんが自分の服を指差してめちゃくちゃ怒ってる。そんで、同じグループのお姉さんが、バイトさんと一緒にゲロを片付けてくれている。
なんで吐いちゃったんだろう?
あのお客さんたちは新成人だったはず。ということは、もしかして、初めてのお酒で無理をしてしまった……とか?
ぼくは居酒屋の子だし、クラスや学童のやつらよりも吐いてる人を見た回数は絶対に多い。なんなら、お父さんだって休みの日には飲みすぎてゲロゲロしてるから、ゲロはぼくにとってすごく身近な存在だ(なんて嫌なご近所さんなんだろう!)。
それでも、やっぱり、人が吐くのなんて見ていて楽しいもんじゃない。
臭いしダサいしカッコ悪い。
お母さんも言ってた。「自分の限界を超えて飲むのは馬鹿のすることだ」って(お父さんは、亀みたいに首を引っ込めながら「はい。はい」って頷いてた)。
ぼくだっていつか大人になったら、きっとお酒を飲むわけだけど、あんな馬鹿みたいな飲み方は絶対にしたくない。
ぼくは、もっと、はーどぼいるどでしりあるでキューティーな……いやキューティーはかわいいって意味か……とにかく、かっこよくお酒を飲める大人になるんだ。バーでシュッとグラスを遠くの席まですべらせて、「隣のお客様からです」って言えるような、そんな……。
そうだ! ちょうどいいところに、そんな感じの大人のお客さんたちがいる。カウンターの端っこで、静かにお猪口を傾けてるお客さん。なぜか、隣に大学生グループのお客さんが来てるけど……そのさらに隣の女性のお客さんも、なかなか大人っぽい。見ていて安心できる感じがある。間違えても、楽器を急に弾きだしたり、ゲロ吐いたりなんてしないだろう。
厨房の天井についているカメラをちょっと動かして、三人のお客さんをアップにした
執筆者: 地の文ムカデ
| 2024/12/01 11:44
中条 誠広
大分、賑やかになってきましたね……大丈夫でしょうか……
(12/02 13:06)
飯村 彩夏
そうですね…自分の限界が分からずに飲みすぎて吐くなんて若いですね
(12/02 13:08)
瀬田 樹里
流石に女子にゲロ吐くのは無いわ
(12/02 13:09)
忠野 太郎
またあいつは……いつになったら大人になるんですかねぇ……
(12/02 13:09)
仲河 人志
ちょっと、トイレで残り吐いてくる……。
(12/02 13:10)
坂本 冬美
(忙しいけど、ようやく静かになりそうで助かったわー……)
(12/02 13:10)
花村 夏樹
お手伝いありがとうございました、た、助かりました…
(12/02 13:11)
飯村 彩夏
大人なんてなりたくてなるもんじゃないわ。
(12/02 13:11)
忠野 太郎
まぁ、なんとかなるでしょう
(12/02 13:11)
瀬田 樹里
ゲロとか慣れてるしよゆー
(12/02 13:12)
辻元 雷
ふぅ〜。さてぇ、芋焼酎来るまでモツ鍋でもつついてるかな。She was a day tripper yeah〜♪
(12/02 13:12)
忠野 太郎
「なりたくてなるもんじゃない」?
(12/02 13:13)
忠野 太郎
気づいたらなっている感じでしょうか?
(12/02 13:14)
飯村 彩夏
そうよ。大人になんてなりたくなかったけど、時間が経てば嫌でも大人って呼ばれちゃうのよ。
(12/02 13:15)
赤塚 愛笑
……あ、っ……クソッ……!店員さん!ビールお替り!
(12/02 13:16)
花村 夏樹
承知しました!
(12/02 13:16)
飯村 彩夏
頭の中身なんてちょうどあなたたちぐらいから大きく変わらないわ。経験は増えるから、少しは変わってるのかもしれないけど。
(12/02 13:16)
中条 誠広
そうですね、経験を重ねることによってそれぞれの色が出てきますから
(12/02 13:17)
瀬田 樹里
赤髪ちゃんうちのツレがごめんねー
後でクリーニング代出させるわ (12/02 13:17)
後でクリーニング代出させるわ (12/02 13:17)
小林 賢二
あいつ酒弱いの忘れてた
(12/02 13:18)
忠野 太郎
…………そうですよね……急には変われませんよね
(12/02 13:18)
花村 夏樹
ビールお待たせしました。
(12/02 13:19)
飯村 彩夏
急には変われないけれど、変わろうと思わないと変われないわよ。
(12/02 13:19)
花村 夏樹
こちらいも焼酎です。
(12/02 13:19)
赤塚 愛笑
……あなたが悪いわけじゃないので……。
あとでメガネに謝罪来させてください。 (12/02 13:20)
あとでメガネに謝罪来させてください。 (12/02 13:20)
赤塚 愛笑
ビールあざます……。
(12/02 13:20)
飯村 彩夏
変わりたいの?
(12/02 13:20)
仲河 人志
ふぅ。完全復活した
(12/02 13:22)
瀬田 樹里
うちゲロ片付けたし仲河うちの分奢ってね
(12/02 13:23)
忠野 太郎
変わりたい……実はもう変わってると思っているです
(12/02 13:23)
飯村 彩夏
そう、どんな風に?
(12/02 13:23)
仲河 人志
マジかよ。あ、店員さーん。レモンサワーくださーい
(12/02 13:24)
小林 賢二
吐いたからたくさん飲めるね!
(12/02 13:24)
瀬田 樹里
うち梅酒ソーダ欲しい!
(12/02 13:24)
小林 賢二
ハイボールも一つー
(12/02 13:25)
仲河 人志
賢二の分は払わねーからな
(12/02 13:25)
坂本 冬美
はい、承知しました
(12/02 13:25)
小林 賢二
酒雑魚に奢られるほど落ちぶれてねーよ
(12/02 13:26)
瀬田 樹里
あとで赤髪ちゃんにごめんなさいとクリーニング代渡しなよ
(12/02 13:27)
仲河 人志
えー。嫌だなぁ
(12/02 13:27)
仲河 人志
金ねーのに
(12/02 13:27)
忠野 太郎
前は「堅物」と呼ばれるくらい真面目だったんですよ、大人の言うことが絶対でとにかく空気が読めなかった……
それが今じゃこんなです、真逆ですよ (12/02 13:28)
それが今じゃこんなです、真逆ですよ (12/02 13:28)
花村 夏樹
レモンサワー、梅酒ソーダ、ハイボール、お待たせいたしました。
(12/02 13:28)
瀬田 樹里
ありがとー!
(12/02 13:28)
仲河 人志
ありがとうございます
(12/02 13:30)
忠野 太郎
いつからか大人に上手く利用されてる気がして、今までのことが馬鹿らしくなったんです
(12/02 13:30)
辻元 雷
〜♪ ん? カウンターの方が静かになったな?
(12/02 13:30)
飯村 彩夏
へえ~柔らかくなったのね。なにかきっかけがあったのかしら?
(12/02 13:31)
小林 賢二
タダノのやろーどこいった?
(12/02 13:31)
仲河 人志
あっちで、なんか話してたよ
(12/02 13:31)
小林 賢二
俺も行こ笑
(12/02 13:32)
瀬田 樹里
いいんちょー女と話しててウケる
(12/02 13:32)
忠野 太郎
柔らかくなったというか変人になろうとしてるんです
(12/02 13:32)
小林 賢二
なんか楽しそうですね
俺とも乾杯してください笑 (12/02 13:32)
俺とも乾杯してください笑 (12/02 13:32)
忠野 太郎
身近になんのしがらみもない奴がいたので
(12/02 13:33)
坂本 冬美
できれば、私も利用されることから卒業したい……。 (小声で)
(12/02 13:33)
飯村 彩夏
他のお友達はなんだか子どもっぽいわね。ふふっ。
(12/02 13:33)
小林 賢二
なんの話してるんすか?
(12/02 13:33)
飯村 彩夏
変人ね…身近なその人に憧れていたの?
(12/02 13:34)
小林 賢二
お姉さん無視しないでよ笑
(12/02 13:34)
中条 誠広
(小林さんに向けて)ああ、対応が遅れて失礼……今は大人の成り立ちについて話していたんですよ
(12/02 13:35)
花村 夏樹
(女将って何に利用されてるんだろ……?)
(12/02 13:35)
飯村 彩夏
あら、ごめんなさいね。今この子が変わったって話をしていたのよ。
(12/02 13:35)
小林 賢二
あーね
コイツ変に背伸びしてるでしょ笑
身の丈に合ってないのに金髪なんかにしちゃって (12/02 13:36)
コイツ変に背伸びしてるでしょ笑
身の丈に合ってないのに金髪なんかにしちゃって (12/02 13:36)
飯村 彩夏
そうなの?背伸びして金髪にするなんて可愛らしいわ。
(12/02 13:37)
坂本 冬美
本当ならあの子達ぐらいの歳にヤンチャするはずだったのに……(小声)
(12/02 13:38)
仲河 人志
おー。これ、日本酒ですか?
(12/02 13:38)
中条 誠広
ええ、何かに挑戦するのはいいことです
(12/02 13:38)
小林 賢二
口開けば大人、大人って
今しかできないことばっかなのにそんなことばっか気にして、
大人になったら同級生とあんま集まりとかできなくなりますよね笑 (12/02 13:39)
今しかできないことばっかなのにそんなことばっか気にして、
大人になったら同級生とあんま集まりとかできなくなりますよね笑 (12/02 13:39)
赤塚 愛笑
私も髪の毛の色変えたりしたら、周りとうまくいったりするのかなぁ……。
(12/02 13:39)
飯村 彩夏
そうねえ、私ぐらいの年になると、同級生と会えるのなんて結婚式ぐらいね。あとはもう妊娠子育てで話が合わなくなってきちゃうし...…。
(12/02 13:41)
飯村 彩夏
仲が良かった友人とも疎遠になってきちゃって……。大人っていいことばかりじゃないのよ。
(12/02 13:41)
瀬田 樹里
えー地毛赤っぽいのかわいくないー?
(12/02 13:42)
仲河 人志
女将さん、これと同じのください
(12/02 13:42)
赤塚 愛笑
うぇっ!
……いまの、きこえて……? (12/02 13:43)
……いまの、きこえて……? (12/02 13:43)
小林 賢二
ただのー綺麗なお姉さんからのありがたいお言葉ちゃんと聞いてるか?
(12/02 13:43)
忠野 太郎
……あー、なんか恥ずかしくなってきた
(12/02 13:43)
飯村 彩夏
綺麗だなんてそんな…
(12/02 13:44)
坂本 冬美
日本酒一つ、承知しました。
(12/02 13:45)
辻元 雷
君達ぃ! そんなに大人大人言ってると本当に大人になっちまうぞぉ!!
(12/02 13:45)
忠野 太郎
あと小林、さりげなくナンパすんな
(12/02 13:45)
瀬田 樹里
絶対髪色の前にその眼鏡と肌と私服かえるべきじゃね?
(12/02 13:45)
中条 誠広
(微笑んで見守ってます)
(12/02 13:45)
小林 賢二
ウェイ
じいさんタイムきた! (12/02 13:45)
じいさんタイムきた! (12/02 13:45)
坂本 冬美
(またお前か!)拳を握りながら。
(12/02 13:46)
小林 賢二
ナンパしてねーよ
(12/02 13:46)
中条 誠広
おや、先ほどの……一緒に呑みますか?
(12/02 13:46)
小林 賢二
口説くときしかきれいとかいっちゃだめなん?
(12/02 13:46)
辻元 雷
大人にならなくていいじゃないか!? そう思わんかね、そこのクールな兄ちゃん?
(12/02 13:46)
小林 賢二
もうなんでもいいよ
楽しければ (12/02 13:47)
楽しければ (12/02 13:47)
坂本 冬美
日本酒一つ、お待たせしました。
(12/02 13:47)
飯村 彩夏
あ、私も梅サワーください
(12/02 13:48)
小林 賢二
でもなんか良いこと聞けそう笑
(12/02 13:48)
瀬田 樹里
なんか大人大人うるさくない?うち子供なのに子供いるんだけど!
(12/02 13:48)
中条 誠広
大人にならなくてもいい……そうですねぇ、少し難しいですね。大人になりたくなくても、時が経てば誰でも大人にならざるを得ませんから
(12/02 13:49)
中条 誠広
だから、今という時間を皆さん精一杯生きるんだと思いますよ
(12/02 13:50)
仲河 人志
でも、いい年してガキみたいなやつもいますよ
(12/02 13:50)
赤塚 愛笑
あー、服とか肌とかは、あんまわかんなくて……。
あと、今日は仕事終わってそのまま来ちゃったから……って、あ……。 (12/02 13:50)
あと、今日は仕事終わってそのまま来ちゃったから……って、あ……。 (12/02 13:50)
仲河 人志
うわ。日本酒、アルコールの味する
(12/02 13:51)
辻元 雷
おう女将さん、我の日本酒もひとつね。
うむ。確かに年をとるとそう見られてしまうなぁ。だが、例え周りからそう見られても、自分は大人でも子供でもない「自分」としてあればいいんじゃないか? (12/02 13:51)
うむ。確かに年をとるとそう見られてしまうなぁ。だが、例え周りからそう見られても、自分は大人でも子供でもない「自分」としてあればいいんじゃないか? (12/02 13:51)
小林 賢二
はい、今という時間にカンパーイ!
(12/02 13:52)
飯村 彩夏
カンパーイ!
(12/02 13:53)
瀬田 樹里
うち薬局で働いてるし多少スキンケアにもメイクにも詳しいから教えたげるよー!連絡先交換しよ♪
(12/02 13:54)
坂本 冬美
はい、日本酒1つ、承知しました。あと、静かにしていてくださいね?(笑顔だけど内心キレてる)
(12/02 13:54)
小林 賢二
メガハイボール1つ!
(12/02 13:54)
辻元 雷
ん? かんぱーい!
女将さぁん、日本酒頼んだぁ! (12/02 13:54)
女将さぁん、日本酒頼んだぁ! (12/02 13:54)
忠野 太郎
はいはいカンパーイ……小林、悩みなさそうで羨ましいですね
(12/02 13:55)
坂本 冬美
静かにって言ってんだろ……。(小声)
(12/02 13:56)
小林 賢二
初対面の人に話せる悩みなんて悩みじゃねーだろ
バカじゃないの?笑 (12/02 13:56)
バカじゃないの?笑 (12/02 13:56)
中条 誠広
おや、素敵なお考えですね、お爺さん
(12/02 13:56)
赤塚 愛笑
え、あっ、ありがとう……私、LINEしか持ってないんだけど……。
(12/02 13:56)
忠野 太郎
お前は自由でいいですよねぇ
(12/02 13:57)
飯村 彩夏
初対面だからこそ話せることもあると思うわ。私みたいに。
(12/02 13:57)
小林 賢二
へー深いかも笑
(12/02 13:58)
仲河 人志
自分でいたいけど、それだけだと上手く生きていけねーんですよ
(12/02 13:58)
忠野 太郎
(っていうかそれはあの時のみんなに言えますけど)
(12/02 13:58)
坂本 冬美
自由になれれば、こんなとこにはいなかったのに……。
(12/02 13:59)
辻元 雷
誰しもそうじゃないか。我も色々あったよ。結婚も離婚もしたし、我はミュージシャンなんだが、ライブツアー中に機材を盗まれたこともあったし、頭にかんざし刺しすぎて入院したこともあったし、でも結局は我は我でしかないことに気が付いたんだ。
(12/02 13:59)
瀬田 樹里
今インスタ入れちゃお♪
でここにいるみんなと交換しちゃおー!多分なんかの縁?だし♪ (12/02 14:00)
でここにいるみんなと交換しちゃおー!多分なんかの縁?だし♪ (12/02 14:00)
仲河 人志
人生濃すぎる
(12/02 14:00)
中条 誠広
波乱万丈ですね
(12/02 14:00)
辻元 雷
上手く生きていけないか……。だがそこの青年。手前味噌な話だが、なぜ上手く生きようとするんだ?
(12/02 14:00)
飯村 彩夏
明るい人ほど暗い過去があったりするものね。
(12/02 14:01)
忠野 太郎
というか小林はなにか悩みとかあるんですか?
(12/02 14:01)
仲河 人志
そりゃだって、その方がいいじゃないすか
(12/02 14:01)
辻元 雷
なぜ良いんだ? 起きて飯食って寝ての一生で動物は本来満足できるじゃないか。
(12/02 14:03)
忠野 太郎
この中だと結構順風満帆そうですが
(12/02 14:03)
小林 賢二
最近ひと段落ついたかな
親が複雑なのとか結構しんどかったけど (12/02 14:03)
親が複雑なのとか結構しんどかったけど (12/02 14:03)
花村 夏樹
(まぁ私もさっきスカウトされたし人生何があるのかわからなさすぎるなぁ)
(12/02 14:03)
小林 賢二
結構友達恵まれてるタイプだし
(12/02 14:04)
赤塚 愛笑
い、インスタ……?
なんかTwitterと違って怖い人多そうじゃない?? (12/02 14:04)
なんかTwitterと違って怖い人多そうじゃない?? (12/02 14:04)
仲河 人志
俺はやりたいことがあるんですよ。でも、上手くいかない。諦めないと、食っていけないんですよ。
(12/02 14:04)
坂本 冬美
日本酒1つ、お待たせしました。
(12/02 14:05)
中条 誠広
やりたい事って何ですか?
(12/02 14:05)
赤塚 愛笑
アプリは面倒だから、とりあえずブラウザ版で……。
(12/02 14:05)
赤塚 愛笑
こ、これでいい、かな……?
(12/02 14:06)
忠野 太郎
……その家族のこともっと詳しく教えてくれないですか?
(12/02 14:06)
仲河 人志
俺は、芸術がやりたいんですよ
(12/02 14:06)
小林 賢二
別に良いけどなんで?
おもしろくないよ (12/02 14:07)
おもしろくないよ (12/02 14:07)
辻元 雷
うむ、なるほど。ではどんな芸術がやりたいんだ?
(12/02 14:07)
瀬田 樹里
みんなと仲良くしておいでー♬
(12/02 14:07)
赤塚 愛笑
わかった……。
あ、あの、!皆さん、連絡先、交換しませんか!?!? (12/02 14:08)
あ、あの、!皆さん、連絡先、交換しませんか!?!? (12/02 14:08)
21:15
なんだか、不思議なことになってきた。
さっきまであんなに仲の悪そうだったお客さんたちがみんなカウンターの近くに集まって、真面目な顔でぶつぶつ話し合っている。並ぶグラスの数もどんどん増えて、顔もすっかり赤らんできて、それなのに、目だけは妙に据わっている。
これは……あれだ。
酔っ払いの第二形態、「お説教モンスター」だ!
大人って生き物は、お酒を飲むと、まずテンションが上がる。そして、テンションが上がりきると、今度は、「説教したがり」状態になる。仕事のこととか、人生のこととか、とにかく何かをツラツラ語りたくなるらしい。特に、年下相手に。そんで、心ゆくまで語った後は、イビキかいて寝たり、吐いたりする(すっごい迷惑だ)。
ぼくの一番身近な酔っ払いこと、お父さんも、普段はぼくと話すことなんてほとんどないくせに、お酒が入ると急に口が回るようになる。学校のこととか学童のこととかあれこれ聞いてきて、「あ〜、やっぱりお前はまだ子どもだな〜」って顔で、どうでもいいお説教を長々とぼくに浴びせてくるんだ(次の日の朝になったら、自分がお母さんに説教されるくせに)。しかも、酔っ払うたびに毎回同じ話しかしない。酔っ払っている最中のことを覚えてないから。
「お説教モンスター」っていうのは本当に嫌な生き物だ。
あのお客さんたちも、みんな、お酒の飲み過ぎで「お説教モンスター」になっちゃったんだ。
どうしよう……と一瞬だけ考えて、すぐにやめる。
うん……別にいっか。
ぼくがお説教されるわけじゃないし。むしろ、みんな静かになったおかげで、お母さんの顔も少し穏やかになってるし。バイトのお姉さんも、もう店中をうろうろ歩き回ったりしてないし。
うん。全然問題ないじゃん。
それよりも、いつの間にかもう9時を過ぎていることの方が問題だ。いつまでもお店を見てないで、そろそろお風呂に入って寝ないと。明日はちょっと早めに登校して、ドリルの丸つけしなきゃなんだから、夜更かしなんてしてる場合じゃない。
そう思って、監視カメラの映像を閉じようとした時、ふと、厨房の様子が目に飛び込んできた。
コンロの火が、つけっぱなしだ。
__ドッと冷や汗が噴き出してくる。九月の防災の日に、学校に消防士さんがきた時の記憶が、急に映画みたいに浮かび上がってくる。
「ガスコンロが原因で起こる火事のほとんどは、コンロの火を消し忘れることで起こります」って__。
どうしよう。どうしよう。全身に鳥肌が立つ。このままじゃ、お店が火事になっちゃう。お父さんとお母さんの大事なお店が燃えてしまう。というか、2階にいるぼくも、火事で燃えちゃう。
二人とも、今は厨房の外でお客さんたちの相手をしてる。カウンター席に座ってるお客さんたちからあのコンロはちょうど見えない位置にあるし、そもそも全員話すのに夢中で、気づくのは絶対に無理だろう。
お父さんとお母さんは厨房にいない。「お説教モンスター」たちも使えない。
あとは、あとは……
そうだ、バイトのお姉さん!
お姉さんを探しに、六個の監視カメラを全部チェックする。でも、バイトのお姉さんはどこにも映ってない。
ってことは、お姉さんは今、カメラの唯一届かない場所__厨房の奥の、冷蔵庫とかが置いてある、従業員控室にいるはずだ。
控室には、緊急連絡用の電話機があったはず。ぼくは勢いよく立ち上がって(勢いよすぎて、椅子が思いっきり倒れてしまったけど、無視!)、リビングの電話を手に取った。壁に貼ってあるお母さんの「おみせにでんわしたいときはこれ↓(ほんとうにあぶないときしかかけちゃダメ!)」というメモの通り、登録してある番号を選んで、通話ボタンをギュッと押した__どうか、電話に出てくれますように!
なんだか、不思議なことになってきた。
さっきまであんなに仲の悪そうだったお客さんたちがみんなカウンターの近くに集まって、真面目な顔でぶつぶつ話し合っている。並ぶグラスの数もどんどん増えて、顔もすっかり赤らんできて、それなのに、目だけは妙に据わっている。
これは……あれだ。
酔っ払いの第二形態、「お説教モンスター」だ!
大人って生き物は、お酒を飲むと、まずテンションが上がる。そして、テンションが上がりきると、今度は、「説教したがり」状態になる。仕事のこととか、人生のこととか、とにかく何かをツラツラ語りたくなるらしい。特に、年下相手に。そんで、心ゆくまで語った後は、イビキかいて寝たり、吐いたりする(すっごい迷惑だ)。
ぼくの一番身近な酔っ払いこと、お父さんも、普段はぼくと話すことなんてほとんどないくせに、お酒が入ると急に口が回るようになる。学校のこととか学童のこととかあれこれ聞いてきて、「あ〜、やっぱりお前はまだ子どもだな〜」って顔で、どうでもいいお説教を長々とぼくに浴びせてくるんだ(次の日の朝になったら、自分がお母さんに説教されるくせに)。しかも、酔っ払うたびに毎回同じ話しかしない。酔っ払っている最中のことを覚えてないから。
「お説教モンスター」っていうのは本当に嫌な生き物だ。
あのお客さんたちも、みんな、お酒の飲み過ぎで「お説教モンスター」になっちゃったんだ。
どうしよう……と一瞬だけ考えて、すぐにやめる。
うん……別にいっか。
ぼくがお説教されるわけじゃないし。むしろ、みんな静かになったおかげで、お母さんの顔も少し穏やかになってるし。バイトのお姉さんも、もう店中をうろうろ歩き回ったりしてないし。
うん。全然問題ないじゃん。
それよりも、いつの間にかもう9時を過ぎていることの方が問題だ。いつまでもお店を見てないで、そろそろお風呂に入って寝ないと。明日はちょっと早めに登校して、ドリルの丸つけしなきゃなんだから、夜更かしなんてしてる場合じゃない。
そう思って、監視カメラの映像を閉じようとした時、ふと、厨房の様子が目に飛び込んできた。
コンロの火が、つけっぱなしだ。
__ドッと冷や汗が噴き出してくる。九月の防災の日に、学校に消防士さんがきた時の記憶が、急に映画みたいに浮かび上がってくる。
「ガスコンロが原因で起こる火事のほとんどは、コンロの火を消し忘れることで起こります」って__。
どうしよう。どうしよう。全身に鳥肌が立つ。このままじゃ、お店が火事になっちゃう。お父さんとお母さんの大事なお店が燃えてしまう。というか、2階にいるぼくも、火事で燃えちゃう。
二人とも、今は厨房の外でお客さんたちの相手をしてる。カウンター席に座ってるお客さんたちからあのコンロはちょうど見えない位置にあるし、そもそも全員話すのに夢中で、気づくのは絶対に無理だろう。
お父さんとお母さんは厨房にいない。「お説教モンスター」たちも使えない。
あとは、あとは……
そうだ、バイトのお姉さん!
お姉さんを探しに、六個の監視カメラを全部チェックする。でも、バイトのお姉さんはどこにも映ってない。
ってことは、お姉さんは今、カメラの唯一届かない場所__厨房の奥の、冷蔵庫とかが置いてある、従業員控室にいるはずだ。
控室には、緊急連絡用の電話機があったはず。ぼくは勢いよく立ち上がって(勢いよすぎて、椅子が思いっきり倒れてしまったけど、無視!)、リビングの電話を手に取った。壁に貼ってあるお母さんの「おみせにでんわしたいときはこれ↓(ほんとうにあぶないときしかかけちゃダメ!)」というメモの通り、登録してある番号を選んで、通話ボタンをギュッと押した__どうか、電話に出てくれますように!
執筆者: 地の文ムカデ | 2024/12/08 11:44
花村 夏樹
はぁ、疲れた…こんなパイプ椅子じゃゆっくり休めもしな…電話だ
(12/09 13:07)
花村 夏樹
もしもし?はい、息子くんですか、え、火がついてる?!うん、ありがとう。急ぐね!
(12/09 13:09)
花村 夏樹
女将!火!火止めてくださ!うっ、いったあ、
(何もないところで転ぶ) (12/09 13:11)
(何もないところで転ぶ) (12/09 13:11)
仲河 人志
どんな芸術って。そりゃ、一番凄くて、認められる芸術に決まってますって
(12/09 13:11)
坂本 冬美
え、嘘!? すぐ行くわ!
(12/09 13:13)
辻元 雷
確かに、それは大事だ。我も自分の音楽を認められるのに随分かかった。
(12/09 13:14)
仲河 人志
俺の絵は、誰もを魅了するはずなんだ。そうじゃなきゃいけねーんだ
(12/09 13:15)
辻元 雷
だが認められるためだけの、ただ凄いと言われるための芸術に、おぬしの「意思」はあるのか?
(12/09 13:15)
忠野 太郎
あー……だって同窓会で集まったのに全然話してないなって、昔話とか、これからの話とか色々……ね
(12/09 13:15)
忠野 太郎
小林の話聞いて思った
(12/09 13:16)
中条 誠広
どうして、『1番凄くて、誰からも認められる芸術』を志したいんですか?
(12/09 13:16)
仲河 人志
そうじゃないと、生きてる意味がないじゃないすか!
(12/09 13:18)
忠野 太郎
俺みんなのこと全然知らないなって
(12/09 13:19)
中条 誠広
ああ、日本酒をそんなに一気に……酔いが早く回ってしまいますよ(お水渡します)
(12/09 13:19)
仲河 人志
みんな分かってねぇ。あの教授たちも父さんも
(12/09 13:19)
飯村 彩夏
どうして?芸術やらなくても生きていけるわよ?
(12/09 13:20)
坂本 冬美
(火を消して)危なかった、お客に夢中で気づけなかったわ。
(12/09 13:22)
花村 夏樹
はぁ、火きえてよかった、なんでついてたんだろ…
(12/09 13:22)
小林 賢二
成人おめでとう!芸術家よ笑
(12/09 13:22)
仲河 人志
死ぬまでに認められなきゃ、生きた意味がねぇ。のに、いつの間にか20歳になっちまったんすよ
(12/09 13:22)
仲河 人志
うるせー賢二。てめぇもだらだら生きやがって
(12/09 13:23)
小林 賢二
でも成人式よかったよね
久々に会えたやつもいたし、来てよかった (12/09 13:24)
久々に会えたやつもいたし、来てよかった (12/09 13:24)
瀬田 樹里
あれ赤髪ちゃん操作戸惑ってる?貸してみー
(12/09 13:25)
辻元 雷
そうか、君は20歳になるのか。我がちょうどデビューする直前ぐらいの年なのか……。
(12/09 13:25)
仲河 人志
どいつもこいつも、もう20歳になっちまったてのに、ヘラヘラしやがってよ
(12/09 13:26)
赤塚 愛笑
い、インスタって、なんかメールとかと違って連絡交換すんの面倒すぎないか……?
(12/09 13:26)
中条 誠広
若いですねぇ……
(12/09 13:26)
忠野 太郎
……ほんと、みんないいですよね
(12/09 13:27)
飯村 彩夏
20歳なんてまだまだこれからなんだから。
(12/09 13:27)
小林 賢二
ちっちゃな頃から芸術家
20でお酒が許される〜 (12/09 13:28)
20でお酒が許される〜 (12/09 13:28)
仲河 人志
太郎! なに達観したみたいなこと言ってんだよ。まだ何者でもねーくせに!
(12/09 13:28)
坂本 冬美
私だってほんとなら今頃は… (ボソっと呟く)
(12/09 13:29)
中条 誠広
そうですね、私なんてもう40代に入りましたからねぇ……
(12/09 13:29)
仲河 人志
賢二だってなぁ。そうやって、人のこと馬鹿にするだけで、自分ってものがねーのかよ。馬鹿
(12/09 13:29)
忠野 太郎
何者でもない……ね
(12/09 13:29)
瀬田 樹里
慣れだよー、先にうちフォローしちゃうね
えみちゃんて名前なのかわいいー (12/09 13:30)
えみちゃんて名前なのかわいいー (12/09 13:30)
忠野 太郎
店員さん、ビールおかわり
(12/09 13:30)
赤塚 愛笑
え、いや、なんか、ありがとうございます……。
似合わないですよね、はは……。 (12/09 13:31)
似合わないですよね、はは……。 (12/09 13:31)
飯村 彩夏
あ、私も梅サワーまだ届いてないわ
(12/09 13:31)
坂本 冬美
承知しました、すぐにご用意しますね
(12/09 13:33)
飯村 彩夏
というか自分なんて28歳になったってわかんないわよ。そういうのって大人になればなるほど薄れてっちゃう気がするわ
(12/09 13:34)
仲河 人志
どんどん歳を取っていっちゃうの怖くないんすか?
(12/09 13:35)
小林 賢二
28ですか?
全然見えないー! (12/09 13:36)
全然見えないー! (12/09 13:36)
中条 誠広
んー、前まで年を取るのは楽しかったんですが、今はそんなに、ですかね
(12/09 13:37)
飯村 彩夏
見えないだなんて、ありがとう。歳をとっていくのはもちろん怖いわ。結婚しようと思ってた人に振られてライフプラン狂っちゃったけど……。
(12/09 13:37)
坂本 冬美
三十路(みそじ)超えにはきつい話だわ…
(12/09 13:38)
飯村 彩夏
店員さん30超えなの?!肌きれいね!何使ってるか教えてもらっていいかしら?
(12/09 13:39)
辻元 雷
年か。みんなそれぞれ年を取ると積み重ねて行くものがあるのぉ……。
だがな……、 (12/09 13:40)
だがな……、 (12/09 13:40)
中条 誠広
おや、そうだったんですか。それは、それは……貴方みたいに魅力的な方なら、また素敵な方が来ると思いますよ。
幸せな門出が来る事を、祈っております。 (12/09 13:40)
幸せな門出が来る事を、祈っております。 (12/09 13:40)
仲河 人志
賢二お前、成人式良かったとか言ってたけどさ、俺は最悪の気分だったよ。なんでわざわざ式なんてするんだよ
(12/09 13:40)
飯村 彩夏
寄る年波には勝てなくって。
(12/09 13:40)
飯村 彩夏
ありがとうございます。そうだと良いんですけど、なんだか疲れてきちゃって。
(12/09 13:41)
小林 賢二
もし20にもどれるなら何しますか?皆さん
(12/09 13:41)
忠野 太郎
店員さーん、ビールまだですか?
(12/09 13:42)
小林 賢二
減るもんじゃないんだから祝ってもらえるんならいいじゃん
(12/09 13:42)
小林 賢二
あんなに同い年集まる瞬間、最後だぞ
(12/09 13:43)
中条 誠広
そうですよね、今は昔と違って恋愛結婚が盛んな印象があるので……大変ですよね
(12/09 13:44)
仲河 人志
君たちは何者にもなれずにもう20歳になってしまいました。おめでとうございますってか?
(12/09 13:44)
坂本 冬美
歳なんてとりたくありませんよ…。若い衆が羨ましい限りです。ちくしょーめ。(引き攣った笑みで)
(12/09 13:44)
飯村 彩夏
そうねえ、高校の同窓会とかならあるけど、人数で言えば成人式が最後になるわね。
(12/09 13:45)
小林 賢二
これだからネガティブは
20まで健康に生きられたことを感謝すればいいのに (12/09 13:45)
20まで健康に生きられたことを感謝すればいいのに (12/09 13:45)
飯村 彩夏
そうなんですよ、まず恋愛する人から探さないといけないので……。
(12/09 13:46)
坂本 冬美
あ、ビールと梅サワーできたからお願いね、夏樹さん。
(12/09 13:46)
花村 夏樹
休憩ありがとうございました
(12/09 13:47)
忠野 太郎
ビールくらい早く出してください
(12/09 13:47)
花村 夏樹
こちらビールと梅サワーです
(12/09 13:47)
忠野 太郎
ようやくきた
(12/09 13:48)
花村 夏樹
すみません、休憩に行っていたので…
(12/09 13:48)
飯村 彩夏
ありがとう。
(12/09 13:48)
仲河 人志
なんもしなくたって20歳には勝手になるだろ
(12/09 13:48)
小林 賢二
そんなことないよ
昔だったらお前みたいな奴淘汰されてたよ (12/09 13:49)
昔だったらお前みたいな奴淘汰されてたよ (12/09 13:49)
忠野 太郎
いいですよ別に、そもそも、あのおばさんがやれば良かった話なんで
(12/09 13:50)
花村 夏樹
いやいや、その、女将も忙しいですから、
(12/09 13:50)
忠野 太郎
あなたもそういう人間なんじゃないですか?ノーと言えない日本人
(12/09 13:51)
中条 誠広
今はそういったツテが、あまりないですしね……あの、お嬢さんがもし良ければですが、私の部下で相手を探している方がいるので、紹介してもよろしいですか?
(12/09 13:51)
仲河 人志
じゃあ、昔はお前みたいなつまらんやつらばかりの世界だったんだな
(12/09 13:51)
坂本 冬美
お客様、誰がおばさんと?
(12/09 13:52)
飯村 彩夏
え!本当ですか?ちなみに何歳ぐらいで年収はおいくらぐらいかってわかりますか?
(12/09 13:52)
忠野 太郎
あなたのことですよ
(12/09 13:53)
花村 夏樹
喧嘩なんて怖いですから…ね
(12/09 13:53)
中条 誠広
貴方と同い年で、年収は家計一つ保てるくらいですよ
(12/09 13:54)
小林 賢二
なんかサイレンなってない?
(12/09 13:55)
飯村 彩夏
本当ですか?!それはその、是非紹介していただきたいです!
(12/09 13:56)
忠野 太郎
……バイトのあなた見てるとイライラします
(12/09 13:56)
忠野 太郎
……というか全員を見てイライラするんです
(12/09 13:57)
中条 誠広
他人から提案するのは今のご時世どうかなと思ったのですが、言って良かったです。
(12/09 13:58)
花村 夏樹
お客様、少し飲み過ぎではないですか…?
(12/09 13:58)
仲河 人志
どっかで火事にでもなってんじゃねーの?
(12/09 13:58)
飯村 彩夏
いえいえ本当にありがたいです。電話番号かLINEどちらがやりやすいですか?
(12/09 13:59)
忠野 太郎
あーあ、飲まなきゃやってらんねーよ!
(12/09 13:59)
中条 誠広
では、電話番号で
後で日程調整致しましょうね。 (12/09 14:00)
後で日程調整致しましょうね。 (12/09 14:00)
花村 夏樹
お冷お持ちいたしましょうか?
(12/09 14:01)
飯村 彩夏
ありがとうございます!
(12/09 14:01)
坂本 冬美
今頃はキャリア積んで出世だって目じゃなかったってのに、家の都合で結婚させられた奴の気持ちなんて分からないでしょうね。お・きゃ・く・さ・ま?
(12/09 14:02)
辻元 雷
それはな、年をとってからがな、からがな……。ゴロン、Zzz...…。
(12/09 14:02)
忠野 太郎
はー、いいよ別に、それよりあなたこの仕事向いてないよ
(12/09 14:02)
忠野 太郎
早くやめたら?
(12/09 14:02)
飯村 彩夏
えっ?あのおじいさん寝ちゃったの?
(12/09 14:03)
花村 夏樹
女将、酔っ払いの愚痴なんて、取り合っても仕方ないですから(耳打ち)
(12/09 14:03)
仲河 人志
店員さーん。ジジイが床で寝始めたんですけど
(12/09 14:04)
花村 夏樹
や、やめたらって、
(12/09 14:04)
坂本 冬美
ええ、そうですね。でもせっかくなら、このお店も燃えて無くなってもらった方がいいかもしれませんね?
(12/09 14:04)
中条 誠広
おや、大変 ……ん? 店内に香ばしい匂いが充満してますね……
(12/09 14:04)
忠野 太郎
うるせえ!未練がましく過去の栄光に縋ってんじゃねぇクソババァ!
(12/09 14:04)
花村 夏樹
ちょ、お客様!床で寝るのは困ります
(12/09 14:05)
小林 賢二
店員さんのエプロン焦げてね?
(12/09 14:05)
飯村 彩夏
なんか焦げ臭いわね。
(12/09 14:05)
仲河 人志
太郎。お前いないと思ってたら酔って店員さんに絡んでたのかよ。だせぇなぁ
(12/09 14:05)
花村 夏樹
(私だってこんなことやりたくない、、、むり)
(12/09 14:05)
辻元 雷
うぅん。まだ我、弾けるって……。
(12/09 14:05)
花村 夏樹
弾くなら後で!事務所で!私にお願いします!
起きてください! (12/09 14:06)
起きてください! (12/09 14:06)
忠野 太郎
お前も黙ってろよヒトラー!そもそも行きたくなかったんだよこんな同窓会!
(12/09 14:07)
辻元 雷
うぅぅん。いい匂いがするなぁ……。実に香ばしい炎の匂いだ……、Zzz。
(12/09 14:08)
坂本 冬美
焦げ臭い香りが…って嘘!? ほんとに燃えてる!
(12/09 14:08)
21:30
頭からつま先まで体のどこにも泡が残ってないのを確認してから、大急ぎで湯船に入った。
肩までといわず、口まで全部お湯につかる。冷えて硬くなっていた体の芯が、茹で上がったパスタみたいに柔らかく伸びていくこの感じ__う〜ん、あったかい。
冬の脱衣所はサイテーだけど、冬のお風呂はサイコーだ。
お湯をすくって顔にかける。ついでに髪にも。今日は、なんだかすごくたくさんのことがあったような気がする。実際には、宿題して、ちょっとお店の様子も見て、今はお風呂に入ってる、なんてことない普通の1日だったんだけど。
こんなに疲れてるのは、きっと、さっきのコンロ事件にびっくりしすぎたせいだ。バイトのお姉さんが電話に出てくれたおかげで、悪いことはなにも起きなかったけれど……ああいうのは、心臓に悪い。「じゅみょうがちぢむ」ってやつだ。
じゅみょうが……どうしよう?
これで、本当に長生きできなくなったら……。
急に、お湯の温度が下がった。いや、違う。下がったのはぼくの体温だ。どうしよう。長生きできなくなったら。長生きできないってことは、つまり……うまく想像できないけど、大人になれないってことだ。
大人に……。
今まで当たり前みたいに描いていた「将来の夢」とか「結婚するならどんな人がいい」とか、そういう朝方のモヤみたいなたくさんの夢々が、急にリアルな重みを持ってくずれていく。
そんで、代わりに、今日のお客さんたちの姿が、頭の中をメリーゴーラウンドみたいにぐるぐる回り始めた。
酔っ払う人、騒ぐ人、キレる人、喧嘩する人、ギター弾く人、吐く人、泣く人、説教する人、その他、迷惑なことを平気でする人、えとせとら、えとせとら……。
あれ__大人になれなくても、別にいいんじゃないか?
むしろ、大人になるのって、すごくカッコ悪いことなんじゃないか?
うん。うん。暖かいお湯の感覚がじわじわ戻ってくる。なんか、そんな気がしてきたぞ。お父さんはよく子どもっぽいことは悪いことみたいに言うけれど、あんなカッコ悪い大人より、ぼくたち子どもの方が、よっぽどいい世界に生きてるに決まってる。お母さんだって、酔っ払うと口癖みたいに「昔に戻りたい」って言うし……うん。うん。じゅみょうが短くなっても、別にいいや。
大人になったって、いいことなんかきっと一つもないや。
そうホッとしてため息をついた時、ふと、外から大きな音が聞こえてきた。玄関の扉を開ける音だ。それがすごく乱暴で、一瞬泥棒かと思ったけれど、すぐにお母さんの声も聞こえてきたから、ぼくはもう一回ホッとして大きな声で返事した。
「なーにー? ぼくおふろだよー!」
お母さんは声だけは静かになって、ドッタンバッタンお風呂場に近づいてくる。
壊れちゃうんじゃないかってぐらいの勢いでドアが開いて、
「なんでこのタイミングでお風呂入ってるのよ!」
「夜だからだよ……」
「いいから早く出なさい! 出て、服着て、逃げるのよ!」
と、お母さんは赤ちゃんにするみたいにぼくの両脇に手を入れて、無理やり湯船引き上げてくる。
「なに⁈ なんで⁈ 寒いッ!」
「逆! 熱いのよ! 火事なのよ!」
「……火事⁉︎」
頭からつま先まで体のどこにも泡が残ってないのを確認してから、大急ぎで湯船に入った。
肩までといわず、口まで全部お湯につかる。冷えて硬くなっていた体の芯が、茹で上がったパスタみたいに柔らかく伸びていくこの感じ__う〜ん、あったかい。
冬の脱衣所はサイテーだけど、冬のお風呂はサイコーだ。
お湯をすくって顔にかける。ついでに髪にも。今日は、なんだかすごくたくさんのことがあったような気がする。実際には、宿題して、ちょっとお店の様子も見て、今はお風呂に入ってる、なんてことない普通の1日だったんだけど。
こんなに疲れてるのは、きっと、さっきのコンロ事件にびっくりしすぎたせいだ。バイトのお姉さんが電話に出てくれたおかげで、悪いことはなにも起きなかったけれど……ああいうのは、心臓に悪い。「じゅみょうがちぢむ」ってやつだ。
じゅみょうが……どうしよう?
これで、本当に長生きできなくなったら……。
急に、お湯の温度が下がった。いや、違う。下がったのはぼくの体温だ。どうしよう。長生きできなくなったら。長生きできないってことは、つまり……うまく想像できないけど、大人になれないってことだ。
大人に……。
今まで当たり前みたいに描いていた「将来の夢」とか「結婚するならどんな人がいい」とか、そういう朝方のモヤみたいなたくさんの夢々が、急にリアルな重みを持ってくずれていく。
そんで、代わりに、今日のお客さんたちの姿が、頭の中をメリーゴーラウンドみたいにぐるぐる回り始めた。
酔っ払う人、騒ぐ人、キレる人、喧嘩する人、ギター弾く人、吐く人、泣く人、説教する人、その他、迷惑なことを平気でする人、えとせとら、えとせとら……。
あれ__大人になれなくても、別にいいんじゃないか?
むしろ、大人になるのって、すごくカッコ悪いことなんじゃないか?
うん。うん。暖かいお湯の感覚がじわじわ戻ってくる。なんか、そんな気がしてきたぞ。お父さんはよく子どもっぽいことは悪いことみたいに言うけれど、あんなカッコ悪い大人より、ぼくたち子どもの方が、よっぽどいい世界に生きてるに決まってる。お母さんだって、酔っ払うと口癖みたいに「昔に戻りたい」って言うし……うん。うん。じゅみょうが短くなっても、別にいいや。
大人になったって、いいことなんかきっと一つもないや。
そうホッとしてため息をついた時、ふと、外から大きな音が聞こえてきた。玄関の扉を開ける音だ。それがすごく乱暴で、一瞬泥棒かと思ったけれど、すぐにお母さんの声も聞こえてきたから、ぼくはもう一回ホッとして大きな声で返事した。
「なーにー? ぼくおふろだよー!」
お母さんは声だけは静かになって、ドッタンバッタンお風呂場に近づいてくる。
壊れちゃうんじゃないかってぐらいの勢いでドアが開いて、
「なんでこのタイミングでお風呂入ってるのよ!」
「夜だからだよ……」
「いいから早く出なさい! 出て、服着て、逃げるのよ!」
と、お母さんは赤ちゃんにするみたいにぼくの両脇に手を入れて、無理やり湯船引き上げてくる。
「なに⁈ なんで⁈ 寒いッ!」
「逆! 熱いのよ! 火事なのよ!」
「……火事⁉︎」
執筆者: 地の文ムカデ
| 2024/12/15 11:44
仲河 人志
火事だ! 早く外に逃げろー!
(12/16 13:05)
飯村 彩夏
えっ!火事?
(12/16 13:07)
辻元 雷
Zzz……。ぁあ。そこのリズム違う……。
(12/16 13:07)
赤塚 愛笑
やばっ!?インスタに夢中で気づいてなかった!
(12/16 13:08)
忠野 太郎
もうどうでもいいだろ……みんなこれでいいだろ
(12/16 13:08)
忠野 太郎
ここで死んだ方が良くないか
(12/16 13:09)
小林 賢二
スプリンクラーは?
(12/16 13:10)
赤塚 愛笑
少なくとも今動いてないんだから期待はできないだろ!早く店出るぞ!
(12/16 13:11)
中条 誠広
火の手が早すぎる……! 逃げた方が身の為ですね……!(辻元さん担ぎ上げてお店の入り口開け放つ)
皆さん、早く! 逃げて下さい……!! (12/16 13:11)
皆さん、早く! 逃げて下さい……!! (12/16 13:11)
坂本 冬美
みなさん早く逃げてください! こんな小さい店すぐに火が広がりますよ!
(12/16 13:11)
辻元 雷
揺れる……! フロアが揺れているぞぉぉ……Zzz。
(12/16 13:12)
仲河 人志
うっ酔いが回って、フラつく
(12/16 13:12)
小林 賢二
煙やば
(12/16 13:12)
赤塚 愛笑
おいメガネも!……酔ってんのか?
(12/16 13:13)
赤塚 愛笑
何やってんだよばか!肩貸すから、早く歩け!
(12/16 13:14)
仲河 人志
ありがとう……
(12/16 13:14)
坂本 冬美
ほら、早くしてくださいって言ってるじゃないですか! 仲良く心中だなんてごめんですからね!?
(12/16 13:15)
飯村 彩夏
はあ、はあっ、急に走ったから息切れちゃう。皆さん早く!店員さん、消防に連絡は?
(12/16 13:15)
忠野 太郎
必死ですね、おばさん
(12/16 13:16)
赤塚 愛笑
だから人に迷惑かけるほど飲むなって言われてんのにさぁ……ったく。
(12/16 13:16)
仲河 人志
ごめん
(12/16 13:16)
小林 賢二
野次馬めっちゃいるわ
(12/16 13:17)
小林 賢二
外
(12/16 13:17)
坂本 冬美
黙れ小僧! さっさと表出ろ!
(12/16 13:18)
赤塚 愛笑
はいはい。もう、今回のが終わったらおごってもらうからな。
(12/16 13:18)
赤塚 愛笑
樹里さん見なかったけど、先に出てるのかな……?
(12/16 13:18)
忠野 太郎
あぁん?その喧嘩買ったぞババア!
(12/16 13:19)
忠野 太郎
仕方ねぇ!表出てやんよ!
(12/16 13:20)
坂本 冬美
よしさっさと黙らせて、けじめ取らせてやるからな! 覚悟しな!
(12/16 13:21)
花村 夏樹
足気をつけてください!
(12/16 13:21)
忠野 太郎
やってやろうじゃねぇか!
(12/16 13:22)
中条 誠広
こっちです! 出入り口!! こっちから逃げて下さい!!
(12/16 13:23)
辻元 雷
ふがっ。なんだなんだ騒がし……? なんだこら!? 火事じゃないか!!
(12/16 13:24)
仲河 人志
おー。店が燃えてる
(12/16 13:24)
赤塚 愛笑
あー、中にタブレット置いてきちゃった……納期が……。
(12/16 13:25)
坂本 冬美
じゃあ、さっさとついてこい!
(12/16 13:26)
坂本 冬美
店燃えてんだから早くしやがれ!!
(12/16 13:27)
忠野 太郎
あーもう!仕方ねぇな!
(12/16 13:27)
花村 夏樹
あの女将、息子さんは…?
(12/16 13:28)
小林 賢二
何が原因かわからなくて、気づいたら燃えてました。
多分厨房だと思うんですけど、 はい
あ、ありがとうございます (12/16 13:28)
多分厨房だと思うんですけど、 はい
あ、ありがとうございます (12/16 13:28)
坂本 冬美
とっくに外に運んだから大丈夫!
(12/16 13:29)
仲河 人志
ゲロ悪かったよ。弁償するからクリーニング代とか
(12/16 13:29)
忠野 太郎
おーすげー燃えてる
(12/16 13:29)
飯村 彩夏
そうね、ぼーっと見ちゃうわ
(12/16 13:30)
辻元 雷
おい! 皆大丈夫か!? 取り残された人は居ないか?
(12/16 13:31)
花村 夏樹
全員いらっしゃいますよね…?
(12/16 13:31)
赤塚 愛笑
あ、樹里さん! よかった……。
電話……ご家族にかな? 少しそっとしておこう。 (12/16 13:32)
電話……ご家族にかな? 少しそっとしておこう。 (12/16 13:32)
中条 誠広
もう、皆さん外に出たか……よし(赤塚さんのタブレットとか辻元さんのギターとか抱えられるだけ荷物持って出ます)
(12/16 13:32)
中条 誠広
ああ、遅くなって申し訳ない。店の中には誰一人いなかったので、おそらく皆さん出てますよ。
(12/16 13:34)
赤塚 愛笑
ねー、めがね。私こんなでかい火事目の前で見たの初めて。
めがねは? (12/16 13:34)
めがねは? (12/16 13:34)
花村 夏樹
よかったです…
(12/16 13:34)
忠野 太郎
はー、……これで良かったんじゃないですか、あのおばさんも窮屈そうだったし
(12/16 13:35)
仲河 人志
初めてだよ。火事に巻き込まれるのも20年で初
(12/16 13:35)
辻元 雷
あぁ、そうかそれは良かった……! それに、君ぃ助かったよ! 大事な商売道具だからなぁ。
(12/16 13:35)
赤塚 愛笑
あー! それ私のタブレット!!!
おじさん、ありがとう!!!! (12/16 13:36)
おじさん、ありがとう!!!! (12/16 13:36)
坂本 冬美
まあ、あんたみたいな迷惑客がこなくなってくれるから嬉しい限りだけどねー?
(12/16 13:37)
花村 夏樹
今までずっと苦しかったのに、なんだか全部どうでも良くなるような炎だなぁ…
(12/16 13:38)
赤塚 愛笑
私もねー、24年で初めてなんだけどさ。
(12/16 13:38)
飯村 彩夏
店が全焼しても保険で建て直せるでしょうけどね。
(12/16 13:38)
中条 誠広
いえ、タブレットとギターに傷がついてないと良いんですが……あと、他の皆さんの分の荷物も出来るだけ持って来たので……
(12/16 13:39)
仲河 人志
お前、俺より四歳も年上かよ
(12/16 13:39)
飯村 彩夏
でもこんな炎見てたら今までのことがどうでもよくなってきちゃったわね。
(12/16 13:39)
忠野 太郎
結局、みんな縛られてるんすよ
(12/16 13:40)
仲河 人志
なぁ、四年前……20歳のとき、なにしてた?
(12/16 13:40)
赤塚 愛笑
な、なんだよ、うっさいなー。先輩からのありがたい言葉なんだから素直に聞いとけばよかったんだよ。
四年前? 四年前ねぇ。 (12/16 13:41)
四年前? 四年前ねぇ。 (12/16 13:41)
忠野 太郎
おばさんもそうでしょ
(12/16 13:41)
辻元 雷
いやいや、こちらこそ寝ていたとこ運んで貰って、どうもありがとうございました……。こりゃなんかお礼しないとな……そうだ! 兄ちゃん、音楽は興味あるか?
(12/16 13:43)
赤塚 愛笑
私は現役で美大に受かったからあんたみたいにはなってなかったよ。でも大学では自分よりうまい人も多いし、そもそも自分が描きたい絵は学べないし、地元の友人たちはもっといろいろ学んでたり結婚してたり働いてたり様々でさ……。
(12/16 13:44)
仲河 人志
でも、今はイラストの仕事があるんだろ?
(12/16 13:45)
赤塚 愛笑
そういえば私も成人式参加したくなかったよ。だからあんたが焦る気持ち、すごいよくわかる。
(12/16 13:45)
坂本 冬美
そもそも居酒屋なんてやりたくてやってたわけじゃないのに、家の都合でやってただけなのに、もうたくさんだわ。
(12/16 13:45)
仲河 人志
そうかよ……
(12/16 13:45)
中条 誠広
音楽……は、あまり嗜んだ事はないですね、全く。でも、今日の事がきっかけで少し興味は沸きました
(12/16 13:46)
瀬田 樹里
ママ火事に巻き込まれそうになっちゃったから帰るの遅れるね?ごめんねー、ばぁばのとこで今日寝られる?うん、、うん、、ママは大丈夫だよー、
(12/16 13:47)
仲河 人志
良いよ。俺だって、四年後には絵で金を稼げるようになってやるから
(12/16 13:47)
赤塚 愛笑
あんた、ほんとに聞き耳立ててたんだね~。
そのイラストの仕事始めたのもちょうどあんたくらいのときだよ。 (12/16 13:47)
そのイラストの仕事始めたのもちょうどあんたくらいのときだよ。 (12/16 13:47)
花村 夏樹
(あ、なんか、気張ってたのがきれてきたって、いうか、フラフラしてきた…)
(12/16 13:47)
仲河 人志
うるせー。お前、焦らせたいのか、落ち着かせたいのかどっちだよ
(12/16 13:48)
忠野 太郎
……責任だけがただ増えてく、やだな、ほんと
(12/16 13:48)
坂本 冬美
今頃は普通に会社勤めて出世してたはずなのに、いつからこんな客ばかり相手しないでいけなくなったのよ!
(12/16 13:48)
辻元 雷
そうか、いやなに恥じることはない。人は十人十色だからなぁ。
それで我は「ヌエ」ってバンドで活動しているんだが、今回のお礼に兄ちゃんを特等席で招待したいんだがどうだ? (12/16 13:49)
それで我は「ヌエ」ってバンドで活動しているんだが、今回のお礼に兄ちゃんを特等席で招待したいんだがどうだ? (12/16 13:49)
忠野 太郎
じゃあ、やめれば?この機会に
(12/16 13:49)
赤塚 愛笑
どっちでもいいよ。自分のやりたい絵があるんだったら。
まぁ、評価されなきゃ意味ないけど。 (12/16 13:50)
まぁ、評価されなきゃ意味ないけど。 (12/16 13:50)
中条 誠広
……良いんですか?
ご迷惑でなければ伺いたいですね。
しかも、バンド活動をしていらっしゃるんですね……凄いです (12/16 13:50)
ご迷惑でなければ伺いたいですね。
しかも、バンド活動をしていらっしゃるんですね……凄いです (12/16 13:50)
仲河 人志
俺は、やりたい絵で、評価されてやるよ。今は無理でも、まだ20歳だからな
(12/16 13:51)
飯村 彩夏
会社勤めには会社勤めの、飲食店には飲食店の苦労があると思うけれど、店員さんのすきなように生きていいと思うわ。
(12/16 13:52)
小林 賢二
みんな!
消防の人がそこの電信柱の先まできてだって (12/16 13:52)
消防の人がそこの電信柱の先まできてだって (12/16 13:52)
辻元 雷
いやいや、大したことはない。21のときにバンドを初めて、今年51になってようやく音楽ひとつで食べていけるようになったんだ。
(12/16 13:54)
赤塚 愛笑
私もまだ24歳だからうまくは言えないけどさ。大学にも通ってないような20歳なんて、まだまだ子供だよ。だから何でもできるよ。
って、これは20のときの私に言ってあげたいことだけど。 (12/16 13:54)
って、これは20のときの私に言ってあげたいことだけど。 (12/16 13:54)
忠野 太郎
……自由にやってるあいつらが羨ましくて、こうなったのに、結局みんな縛られてる……こんなの見たくなかった
(12/16 13:54)
仲河 人志
これ、隣の家に燃え移らないのか?
(12/16 13:55)
赤塚 愛笑
おいめがね! あんたもいっぱしの芸術家ならさ、今回の火事から何か感じるものがあったんじゃないの? それを絵に描いて勝負しない?
(12/16 13:55)
辻元 雷
うむ、ぜひ来てくれ! これ我の我の名刺だからここのメールまで連絡してくれれば大丈夫だ。
(12/16 13:55)
仲河 人志
良いよ。俺が勝つけどな!
(12/16 13:55)
坂本 冬美
あら、名案ね。 せっかく燃えてくれたし好都合かもね? でも、そういうあんたはこれからまともに生きれるかしらね?
(12/16 13:57)
仲河 人志
あと、俺めがねつけてねーよ。イメージで喋んな! イラストやってるのくせに観察眼カスかよ
(12/16 13:57)
小林 賢二
火事のなか何喋ってんだこいつら
(12/16 13:57)
赤塚 愛笑
おいおい、たかが予備校の講師ごときからすら評価されてないやつが、もういっちょ前に神絵師の私に勝つ気かぁ~?
(12/16 13:58)
忠野 太郎
生きていくしかねーだろ
(12/16 13:58)
小林 賢二
瀬田、げんきに迎え頼んだから家の方面一緒だし送ってもらお
(12/16 13:59)
仲河 人志
お前なんて楽勝だよ。俺の方が目が良いからな!
(12/16 13:59)
中条 誠広
名刺ありがとうございます。
凄い継続力ですね……! 一種の才能ですね……そう考えると、皆さん今回何もなくて本当に、良かったです……亡くなったら、もう終わりですから、そこで。才能を開花する為に継続する機会も、大人とは何か考える機会も、誰かと出会う機会も一生失われる……本当に、生きていて、良かった (12/16 13:59)
凄い継続力ですね……! 一種の才能ですね……そう考えると、皆さん今回何もなくて本当に、良かったです……亡くなったら、もう終わりですから、そこで。才能を開花する為に継続する機会も、大人とは何か考える機会も、誰かと出会う機会も一生失われる……本当に、生きていて、良かった (12/16 13:59)
飯村 彩夏
正直に言ってしまうと、大人の方が色々なものに縛られているかもね。でもそんなに未来を悲観する必要はないわ。
(12/16 13:59)
忠野 太郎
俺は……まだ自由だ
(12/16 14:00)
飯村 彩夏
そうよ
(12/16 14:00)
赤塚 愛笑
そこまで言うならあんな他の作品見せてみなさいよ!
ほら、あんたの『いんすた』だしな。 (12/16 14:01)
ほら、あんたの『いんすた』だしな。 (12/16 14:01)
瀬田 樹里
賢二!めちゃくちゃたすかる〜、、
警察の事情聴取バカ長いからその前に帰りたいね (12/16 14:01)
警察の事情聴取バカ長いからその前に帰りたいね (12/16 14:01)
仲河 人志
良いぜ。お前の絵も見てやるよ
(12/16 14:02)
小林 賢二
帰り焼肉でも行きますか笑
(12/16 14:02)
坂本 冬美
周りに当たり散らすしかできてない、我慢もできない奴が自由なんて笑わせるわね?
(12/16 14:03)
赤塚 愛笑
あ、私は今日いんすた入れたばっかだから……Twitterしか……。
……悪かったな! 陰キャで!!! (12/16 14:03)
……悪かったな! 陰キャで!!! (12/16 14:03)
赤塚 愛笑
どうせTwitterもやってんでしょ! 交換するわよ、めがね!
(12/16 14:03)
忠野 太郎
我慢してきたんだよ、もうたくさん
(12/16 14:04)
辻元 雷
うむ。生きていれば御の字。それは間違いないな。
(12/16 14:05)
瀬田 樹里
記念でインスタ撮っとこーと!
成人式に火事なんてある意味縁起いいし♪ (12/16 14:05)
成人式に火事なんてある意味縁起いいし♪ (12/16 14:05)
仲河 人志
今時インスタやってなかったのかよ。それで良く仕事来てたな
(12/16 14:05)
忠野 太郎
生きていくしかなんだよ、1人でも
(12/16 14:05)
坂本 冬美
じゃあ我慢が足りないわよ、若造!
(12/16 14:06)
小林 賢二
忠野落ち着けよ
これでも飲んで、
お前好きだろマテ茶 (12/16 14:06)
これでも飲んで、
お前好きだろマテ茶 (12/16 14:06)
赤塚 愛笑
あ、私も、いんすたとるー! やり方教えてー!
私が学生の頃はいんすた流行ってなかったの! (12/16 14:07)
私が学生の頃はいんすた流行ってなかったの! (12/16 14:07)
忠野 太郎
やかましいわ
(12/16 14:08)
2025年 1月16日
17:30
「はるきんち燃えたってマジ?」
「うん……マジだよ」
えー! と周りにいたやつらが一斉に叫んだ。
とんでもない声量に、部屋中の視線がここに集まってくる。慌ててシーッ! シーッ! とお互いに言い合って、ダンゴムシみたいに部屋の隅っこに固まった。
火曜水曜はずっと家にいたから、学童に来るのは、先週の金曜日以来。ぼくんちが燃えたという話はここにもきちんと広まっていたようで、自由時間になるなり、ぼくは大勢のインタビュアーに捕まってしまった(もちろん、学校でも登校してすぐに同じような目に遭っている)。
「じゃあ、今どこに住んでんの?」
「野宿? 野宿?」
「野宿じゃねーし。おじいちゃんの家だよ」
「へ〜」
「教科書とか全部燃えたの?」
「うん。宿題も燃えた……ゲームも」
「え〜……」
「かわいそ……」
「…………」
「…………」
ちょっとだけ気まずい無言。
「別に気ぃ遣わなくていいよ」と言おうとしたとき、急に、五年生のりょうたが立ち上がって、
「よし、じゃあ……ババ抜きしようぜ!」
と言った。すぐに、他のやつらも「賛成!」「賛成!」とみんな立ち上がって、次々オモチャ置き場に駆けていく。気まずい空気も、あっという間に散っていく。
りょうたの方を見ると、「心配すんな」とでも言いたげな顔で、ぼくのことを見ていた__本当にかっこいいやつ!
りょうたと肩を組んで、ぼくらもみんなのいるテーブルに向かう。
「__き君! はるき君!」
ババを引いてウゲッとなったのと全く同じタイミングで、ぼくを呼ぶ声に気がついた。振り返ると、学童のコーチが「お母さん来たよ〜」と言って手招きしている。
「え!」
カードを放り投げて立ち上がる。
「お母さん?!」
確かに、コーチの後ろ、玄関の下駄箱のすぐ横に、ダウンコートを着たお母さんが立っている。
「お母さんだ!」
「はるき、もう帰るの?」
「カード投げんなよ!」
「てかババ入ってるし」
「じゃあもうはるきの負けってことでよくね?」
「よし。はるきの負け!」
「はるきじゃーなー」
「負け犬じゃーなー」
好き勝手なことを言うやつらに「じゃーな!」と言い返してから、超スピードでランドセルに荷物を詰めて、超スピードで上着を着て、超スピードで玄関に走った。
「お母さん、なんで? なんでいるの?」
「なんでって、迎えに来たのよ」
「えー!」
「はるき君、いっつも一人で帰ってたもんね。よかったねぇ」
コーチがニコニコ笑いながら言う。
うん、と返そうとしたけど、口がうまく動かなくて、白い煙が一つ二つ漏れただけになった。
挨拶をして、学童を出る。
涼しい風が通りを吹き抜けて、熱いほっぺたに心地いい。でも、ぼくの二倍着込んでいるはずのお母さんは、ブルブルと震えてすごく寒そうだ。
「うう……もうすっかり冬本番ね。はるき、寒くない?」
「寒くないよ。むしろ暑いよ」
「えぇ〜……嘘でしょ〜……」
「嘘じゃないし。なんなら半袖でも平気だよ」
「ああ……お母さんの子どものころもいたわ、年がら年中半袖の男子……」
「ぼくのクラスにもいる!」
「真似しちゃだめよ……絶対にね」
ビュウ! と強い風が吹いて、お母さんは顔の半分以上をマフラーに突っ込んだ。
手を繋いでほしかったけど、お母さんの両手はコートのポケットに深々と仕舞われていて、こりゃ無理そうだ。
しばらくの間、無言で歩く。学童から帰るいつもの道は、いつもと全く同じ道のりだけど、いつもならいないお母さんが一緒だから、スニーカーに羽が生えちゃったみたいにちょっと歩きづらい。
「__はるき、急なんだけど……」
「ん?」
「お母さんね、再就職しようと思うの」
赤信号に捕まったところで、お母さんがそう言った。
「……さいしゅうしょくってなに?」
「もう一回、会社で働こうと思うの。……お父さんと結婚する前に働いてた会社が、今度の火事のニュースを見て、連絡をくれてね。これを機に戻ってこないかって言ってくれたのよ。……お父さんは、また店を建て直すから、やめてくれって言うんだけど……」
「ふ〜ん……」
「はるきは、どう思う? どうしてほしい?」
「え〜? お母さんの好きにしたらいいんじゃない?」
ぼくにはよくわかんないし、と心の中で付け足しつつ、ぼくは答えた。
「お母さん、ほんとはお店で働くの嫌なんでしょ。あの時言ってたじゃん」
「……聞いてたのね……」
「そりゃ聞こえてるよ。お母さん声でかいし。それに、お店を建て直すのって、すっごくお金と時間がかかるんでしょ。だったら、お母さんがさいしゅーしょく? する方が早いんじゃない。お父さんには主夫やってもらえばいいよ。料理できるんだし」
「…………」
お母さんの口から、ゆっくちゆっくり白い煙が溢れてくる。
「ほんとうに、いいの?」
「なにが?」
「だって……お母さんが会社で働き出したら、今までみたいに毎日お母さんのご飯は食べれなくなるし、朝はもっと忙しくなるし、それに……今日みたいに、お迎えにも来てあげられないのよ……」
「お迎えは今までも来たことないじゃん。ずっと一人で帰ってたのが、これからも続くだけだよ。あ、いや、むしろ、お父さんがお迎えに来るようになるのかな? 忙しいのだって、夜から朝に変わるだけ。ご飯は……まぁ、そりゃ、お母さんの唐揚げは毎日でも食べたいけど……でも、お母さんの好きにしたらいいよ……」
尻すぼみになっていくぼくの言葉を、お母さんは__そう、まるで、ちょっとしかない大好きなお菓子を一つ一つ大事に食べるみたいな顔で、じっと聞いていた。
信号が青になる。
歩き出そうとして、ふわふわしたものに手を握られた。お母さんの手袋だ。
手を繋いで、横断歩道を渡る。
「……時代ってのは、ちゃんと変わっていくものなのね」
「……お母さん、なんかおばあちゃんみたいなこと言ってる……」
言ってから、やばい、怒られるかな? と思ったけど、握られた手が離れていく気配はない。見上げると、優しい顔のお母さんと目が合った。
「はるきも大人になればわかるわよ。私が子どもの頃は、母親なんて家に縛りつけられてるのが当たり前で、一回結婚したらできるのなんてせいぜいパートだけだったもの……再就職なんて考えたこともなかった」
変わるものね、と、もう一度噛み締めるように言って、お母さんはにっこり笑った__ぼくが最後にこんなお母さんを見たのは、いったいいつのことだろう。そもそも、お母さんとこんなにちゃんと話したの自体、いつ以来だろう。
監視カメラの映像越しじゃない、確かにぼくの手を握ってぼくの顔を見てくれる、大好きなお母さん。
__あの火事が、あのめちゃくちゃな夜が、ぼくのお母さんを返してくれたんだ。
ぼくもお母さんの手を強く握った。手袋越しでもお互いの指の形がわかるぐらい強く握った。
「ぼくも、大人になる頃には、時代ってやつが変わってるのかなぁ?」
「そうよ。きっとそう。想像もできないような世の中になってるわ」
「車が空を飛んだりする?」
「ええ。電車だって飛ぶわよ」
「え! すごい!」
思わず、その場でジャンプ。
「楽しみ! 楽しみ! はやく大人になりたい!」
お母さんがケタケタと笑う。
スニーカーに生えた羽根は、もう完全にぼくの味方だ。
今なら、星空の中だって駆けていけそうな気がする。
17:30
「はるきんち燃えたってマジ?」
「うん……マジだよ」
えー! と周りにいたやつらが一斉に叫んだ。
とんでもない声量に、部屋中の視線がここに集まってくる。慌ててシーッ! シーッ! とお互いに言い合って、ダンゴムシみたいに部屋の隅っこに固まった。
火曜水曜はずっと家にいたから、学童に来るのは、先週の金曜日以来。ぼくんちが燃えたという話はここにもきちんと広まっていたようで、自由時間になるなり、ぼくは大勢のインタビュアーに捕まってしまった(もちろん、学校でも登校してすぐに同じような目に遭っている)。
「じゃあ、今どこに住んでんの?」
「野宿? 野宿?」
「野宿じゃねーし。おじいちゃんの家だよ」
「へ〜」
「教科書とか全部燃えたの?」
「うん。宿題も燃えた……ゲームも」
「え〜……」
「かわいそ……」
「…………」
「…………」
ちょっとだけ気まずい無言。
「別に気ぃ遣わなくていいよ」と言おうとしたとき、急に、五年生のりょうたが立ち上がって、
「よし、じゃあ……ババ抜きしようぜ!」
と言った。すぐに、他のやつらも「賛成!」「賛成!」とみんな立ち上がって、次々オモチャ置き場に駆けていく。気まずい空気も、あっという間に散っていく。
りょうたの方を見ると、「心配すんな」とでも言いたげな顔で、ぼくのことを見ていた__本当にかっこいいやつ!
りょうたと肩を組んで、ぼくらもみんなのいるテーブルに向かう。
「__き君! はるき君!」
ババを引いてウゲッとなったのと全く同じタイミングで、ぼくを呼ぶ声に気がついた。振り返ると、学童のコーチが「お母さん来たよ〜」と言って手招きしている。
「え!」
カードを放り投げて立ち上がる。
「お母さん?!」
確かに、コーチの後ろ、玄関の下駄箱のすぐ横に、ダウンコートを着たお母さんが立っている。
「お母さんだ!」
「はるき、もう帰るの?」
「カード投げんなよ!」
「てかババ入ってるし」
「じゃあもうはるきの負けってことでよくね?」
「よし。はるきの負け!」
「はるきじゃーなー」
「負け犬じゃーなー」
好き勝手なことを言うやつらに「じゃーな!」と言い返してから、超スピードでランドセルに荷物を詰めて、超スピードで上着を着て、超スピードで玄関に走った。
「お母さん、なんで? なんでいるの?」
「なんでって、迎えに来たのよ」
「えー!」
「はるき君、いっつも一人で帰ってたもんね。よかったねぇ」
コーチがニコニコ笑いながら言う。
うん、と返そうとしたけど、口がうまく動かなくて、白い煙が一つ二つ漏れただけになった。
挨拶をして、学童を出る。
涼しい風が通りを吹き抜けて、熱いほっぺたに心地いい。でも、ぼくの二倍着込んでいるはずのお母さんは、ブルブルと震えてすごく寒そうだ。
「うう……もうすっかり冬本番ね。はるき、寒くない?」
「寒くないよ。むしろ暑いよ」
「えぇ〜……嘘でしょ〜……」
「嘘じゃないし。なんなら半袖でも平気だよ」
「ああ……お母さんの子どものころもいたわ、年がら年中半袖の男子……」
「ぼくのクラスにもいる!」
「真似しちゃだめよ……絶対にね」
ビュウ! と強い風が吹いて、お母さんは顔の半分以上をマフラーに突っ込んだ。
手を繋いでほしかったけど、お母さんの両手はコートのポケットに深々と仕舞われていて、こりゃ無理そうだ。
しばらくの間、無言で歩く。学童から帰るいつもの道は、いつもと全く同じ道のりだけど、いつもならいないお母さんが一緒だから、スニーカーに羽が生えちゃったみたいにちょっと歩きづらい。
「__はるき、急なんだけど……」
「ん?」
「お母さんね、再就職しようと思うの」
赤信号に捕まったところで、お母さんがそう言った。
「……さいしゅうしょくってなに?」
「もう一回、会社で働こうと思うの。……お父さんと結婚する前に働いてた会社が、今度の火事のニュースを見て、連絡をくれてね。これを機に戻ってこないかって言ってくれたのよ。……お父さんは、また店を建て直すから、やめてくれって言うんだけど……」
「ふ〜ん……」
「はるきは、どう思う? どうしてほしい?」
「え〜? お母さんの好きにしたらいいんじゃない?」
ぼくにはよくわかんないし、と心の中で付け足しつつ、ぼくは答えた。
「お母さん、ほんとはお店で働くの嫌なんでしょ。あの時言ってたじゃん」
「……聞いてたのね……」
「そりゃ聞こえてるよ。お母さん声でかいし。それに、お店を建て直すのって、すっごくお金と時間がかかるんでしょ。だったら、お母さんがさいしゅーしょく? する方が早いんじゃない。お父さんには主夫やってもらえばいいよ。料理できるんだし」
「…………」
お母さんの口から、ゆっくちゆっくり白い煙が溢れてくる。
「ほんとうに、いいの?」
「なにが?」
「だって……お母さんが会社で働き出したら、今までみたいに毎日お母さんのご飯は食べれなくなるし、朝はもっと忙しくなるし、それに……今日みたいに、お迎えにも来てあげられないのよ……」
「お迎えは今までも来たことないじゃん。ずっと一人で帰ってたのが、これからも続くだけだよ。あ、いや、むしろ、お父さんがお迎えに来るようになるのかな? 忙しいのだって、夜から朝に変わるだけ。ご飯は……まぁ、そりゃ、お母さんの唐揚げは毎日でも食べたいけど……でも、お母さんの好きにしたらいいよ……」
尻すぼみになっていくぼくの言葉を、お母さんは__そう、まるで、ちょっとしかない大好きなお菓子を一つ一つ大事に食べるみたいな顔で、じっと聞いていた。
信号が青になる。
歩き出そうとして、ふわふわしたものに手を握られた。お母さんの手袋だ。
手を繋いで、横断歩道を渡る。
「……時代ってのは、ちゃんと変わっていくものなのね」
「……お母さん、なんかおばあちゃんみたいなこと言ってる……」
言ってから、やばい、怒られるかな? と思ったけど、握られた手が離れていく気配はない。見上げると、優しい顔のお母さんと目が合った。
「はるきも大人になればわかるわよ。私が子どもの頃は、母親なんて家に縛りつけられてるのが当たり前で、一回結婚したらできるのなんてせいぜいパートだけだったもの……再就職なんて考えたこともなかった」
変わるものね、と、もう一度噛み締めるように言って、お母さんはにっこり笑った__ぼくが最後にこんなお母さんを見たのは、いったいいつのことだろう。そもそも、お母さんとこんなにちゃんと話したの自体、いつ以来だろう。
監視カメラの映像越しじゃない、確かにぼくの手を握ってぼくの顔を見てくれる、大好きなお母さん。
__あの火事が、あのめちゃくちゃな夜が、ぼくのお母さんを返してくれたんだ。
ぼくもお母さんの手を強く握った。手袋越しでもお互いの指の形がわかるぐらい強く握った。
「ぼくも、大人になる頃には、時代ってやつが変わってるのかなぁ?」
「そうよ。きっとそう。想像もできないような世の中になってるわ」
「車が空を飛んだりする?」
「ええ。電車だって飛ぶわよ」
「え! すごい!」
思わず、その場でジャンプ。
「楽しみ! 楽しみ! はやく大人になりたい!」
お母さんがケタケタと笑う。
スニーカーに生えた羽根は、もう完全にぼくの味方だ。
今なら、星空の中だって駆けていけそうな気がする。
執筆者: 地の文ムカデ
| 2025/01/13 11:45
まぁ、ヒトラーの勝手だけど (11/18 13:24)
てか誰が誰だかわかんねーウケる (11/18 13:32)
大学デビューってやつ?てかみんな大学生? (11/18 13:36)
ガキがくんなよこんなとこ……。 (11/18 13:37)
そりゃそうだ、それはな! (11/18 13:40)
(アコースティックギターで曲を演奏し始める) (11/18 13:41)
ん? ああ! それはすんません。つい飲みすぎてしまったもんで……! (11/18 13:44)
子供出来て薬局で働いてんの。彼氏募集中でーす (11/18 13:48)
ありがとー (11/18 13:50)
てか、結婚したみたいなストーリーあげてたし (11/18 13:50)
さすがに修羅場ったけど (11/18 13:52)
……ックソッ!うるさすぎんだろあのじじぃ……! (11/18 13:52)
ッッッジャジャジャンのとこあるじゃんよ。ジャジャヤジャンの前の。
(さっき怒られたけど短いフレーズくらいなら弾けるだろ) (11/18 13:53)
2人は世捨て人みたいなもんだから知らなかったと思うけど (11/18 13:53)
例えば、ッッッジャジャジャン、ジャーンジャーン!!!みたいな。 (11/18 13:55)
ご、ご注文承ります! (11/18 13:57)
……あと、あそこの爺さん何とかしてもらえませんか? (11/18 13:58)
レモンサワー承知いたしました! (11/18 13:58)
そ、そうですね、女将が困っているとなると私にはどうすることも… (11/18 13:59)
じゃあ、ッッジャーン、ジャジャーンジャージャジャ!!はどうだ? (11/18 14:01)
俺派遣で一回やったけど地獄だった (11/18 14:01)
ああ! えらい、すみませんね……。ライブ終わりでちょっと熱入ってましたわ。
ところで、さっき頼んでたモツ鍋ってもう来ます? (11/18 14:04)
しかし、姉ちゃんなかなかちゃんとした考えもってるなぁ。音楽は何聴くん? (11/18 14:08)