プロローグ - toKnow

プヤ交流 前編

プヤが見える女子高校生、小鳥遊杏(たかなしあん)は一人のプヤを見つけた。そのプヤが放っておけなかった杏は、プヤを追いかけるため走り出す。その杏の友人である結城涼(ゆいしろすず)は、彼女を追いかける。
彼女にはプヤが見えなかったが、プヤの為には周りも自分も顧みない杏の真っ直ぐさの支えになりたいと思う涼は、ゆっくり確実にプヤの世界に触れていくことになる。

やっと杏が校庭の隅で立ち止まったかと思えば、そこにはみすぼらしい男がいた。涼にはそのホームレスらしき男しか見えないが、杏はそこにプヤがいるという。
そんな状況に困惑する涼には目もくれず、プヤの専門家を名乗るホームレスの男は、虚空に、プヤに話しかける。プヤの専門家の男は、杏が救おうとしているそのプヤを退治しに来たというのだ。それに困惑するプヤ、そして杏と涼。

更に畳みかけるように専門家の男は続ける。「なぁ、君は死んでるんだ」と。尚困惑しつつ、プヤは生きていた頃の記憶も、そもそも死んでいることも、自分がプヤである自覚も無いことを説明する。
それでも退治するという専門家の男に対し、「こんなに可愛い見た目のプヤが悪さするはずない」と口を開いた杏に、今度は専門家の意識が向く。プヤが見えるという杏に専門家は驚いた様子だった。涼にはプヤが見えないことを知ると、プヤが見えるようになる眼鏡を授ける。その動機は分からないが、涼にとっては好都合だった。

プヤが見えるようになった涼だが、杏の普段の行動をなんとなく信じていたこともあり特に動揺しすぎることもなく、杏と共に記憶のないプヤと関わる。

記憶のないプヤはもちろん名前も覚えておらず、2人が名付けることとなる。涼はスーパーアレクサンドロス5世と名付けるが、杏が否応がなしに却下し、記憶のないプヤはププと名付けられた。いわゆるおばけのようなフォルムで2人の周りをぷやぷやと漂っている。記憶がない割には冷静で落ち着いていて、どこか2人を手助けするような、専門家の男が言う退治とはかけ離れた印象のプヤである。

ププは悪さをするプヤではないことを確信した2人は、悪いプヤがいると噂の取壊し予定である旧校舎へ向かう。ププもそれに同行する。旧校舎へ入るとまたもやプヤに遭遇する。今度は小学校低学年くらいの少年の姿をしていた。足は若干透けている。見られていることに気付いた少年は、3人(?)の周りをぴょこぴょこと飛びながら、次から次へと喋る。僕は生きてるだとか、死んでないとか、僕の名前は快兎(かいと)だとか早口で話していく。プヤだということ以外は普通の小学生のようだ。
杏が少年に対し、いつからここにいるの?と尋ねても帰ってくる言葉は、さっき、いや一昨日、あ、一カ月前かといったようにコロコロと変わっていく。杏と涼は顔を見合わせ、嘘つきだけど悪さをするプヤとは違うなと表情だけで意見を合わせる。その少年から悪さをするプヤの情報を聞き、旧校舎の2階にいるという情報を得る。

2階へはあのホームレスの専門家男か、それ以外の不審者もしれないことを踏まえつつ、一度ププだけが向かうが、そこに居るのは明らかに透けているヤンキー姿の青年だった。杏と涼、そして流れでついてきた快兎も集まり会話を試みるが、ヤンキーのプヤ…松本も記憶がなく、更に地縛霊で動けないのだと喚くだけで進展はない。

その時、突然専門家の男、齋藤龍がヤンキーに手をかける。男いわく、魂を抜いて2回目の死を迎えさせ退治をするらしい。ただプヤを救いたいという杏とその杏についていく涼は男を止めるため、一度その場から離れる。

しかしプヤの2回目の死について何も知らない2人には打つ手がなかった。涼はひとりで齋藤を訪れ情報を聞き出すことにする。齋藤はもう松本を手にかけていて、松本はじわじわと2回目の死に向かっているようだった。齋藤が言うには、プヤは2回目の死を迎えるとだんだん形を保てなくなり、徐々に影は薄くなり、3度目の死、消失になるというのだ。
齋藤は松本のその後を涼に任せ、その場を去った。

涼はすぐに杏達の元に戻り、松本を救うため何かできないかと会議を重ねる。松本は地縛霊で、旧校舎は取り壊される予定だ。
あーでもないこうでもないと話し合っていると、松本の声が響く。「お前ら早く助けろよ。俺やることねぇだろうがよ」一同は困惑し、助ける気が失せ始める。

松本の元に行くと、松本は齋藤に捕まっていた。
やはり地縛霊であるせいか外に出ることは出来ないようで、齋藤も松本を外に出そうとしていたが、どうやら見切り発車だったらしい。
プヤに触れるための手袋も2人に手渡しやってみろと言う。当然不可能だった。

2人は、旧校舎に掲示板があると快兎に教えてもらい成仏の手がかりを集める。そこで松本が旧校舎時代の高校生でいじめの加害者だったことが、学校新聞に書かれているのを発見する。その加害者が地縛霊ということは、自殺か他殺かそれによっても話が変わってくる。更にそこで、相変わらずうるさくヤジとでたらめを飛ばしていた快兎が、七不思議でここに夜中紐が見えるという噂話を口にする。それを手掛かりに2人は先ほど貰った手袋を使い、松本の首元を見てみると、紐の痕があった。

成仏させるためにもとにかく、この取り壊し予定の校舎から松本を連れ出さなくてはならない。そこで2人はまたもや専門家の男に詰め寄ると、赤いカーペットの上なら移動させられるというにわかには信じられない言葉が返ってくる。その危険性について男は捲し立てるものの、2人は松本を成仏させるために赤いカーペットをどうにかしようと動き始める。