![](https://www.media.art.nihon-u.ac.jp/toknow/wp-content/uploads/2020/07/five_two-1.jpg)
●あらすじ
智也と雄介は、性格は正反対だが仲が良く、大学までほぼ同じ進路をたどる。しかし今、智也は病院で植物状態のまま眠り続けている。雄介は毎日欠かさず智事件が。その全貌が彼らと関係のある人々によって、明らかになっていく。正反対の智也と雄介、二人を結びつけるのは友情か、それとも・・・。
●批評
幼少時代からの智也と雄介の様子が、章が替わるごとに視点人物を替え、第三者の目を通して描かれていく。視点人物 1 人 1 人の葛藤もしっかりと描かれている。
最初と最後で、智也と雄介の関係性が 180 度変わって見える。美しい友情の話かと思いきや、ゾワっとするような真実があった。
対立することを奪われた時代であった平成。自己実現のために苦悩する若者たちの自滅と祈りの物語。色々な価値観が溢れるなか、どのような指標をもって生きていくべきか、私たちに教えてくれる。