作品講評_4

作品と、作品に対する楊先生の一言コメントを掲載いたします。

トドノツマリペンギン

トドノツマリペンギン

トドノツマリペンギンは
すごく蒸し暑い地方の
雲の表面にたくさん住んで
そのまま アグラかいて暮らしている

トドノツマリペンギンは
すごく思慮深い
トドノツマリペンギンはドドメ色

(腹の色は緑)

トドノツマリペンギンは
人の思慮深さを主食にする
人々から生まれた
とりとめのない
苦くて酸っぱくて
渋くて溝の深い
とても食えた物じゃない議論、
にそっと座って考える
真ん中に図々しく陣取り
眉間に皺を寄せて
実が熟す様に考える

ペンギンは自分のヒレで
仲間の腹を叩いた
そして、 見上げる
雲の上の淡い夜空

ペンギンは思いを馳せる
地上の腐った公園に
1才の、うるさな静けさ
ただ曖昧な喉奥のたわいない吃り
(それはいやに
蒸し暑い夏のキスゲであった)

ペンギンは空を飛ぶわけではない
ただ、道端の石を眺め

空から、ふと飛び立ち給ふ
くろだいだいの空を潜り続ける
(がゃ がゃ がゃ がゃ がゃ がゃ・)
光の中から雲の気泡が取り巻き
勢いをつけてやってくる
無象の光はせんになって
ごろごろ
明後日の方向にペンギンがやってくる
ひしゃげた空がそれらを流し
なみだ がぼくの眼におちる

ぺんぎんはどっ と崩れ
仰山 、流れ
点は質量を溜め続ける
地べたに這い蹲る
ペンギンの色は土留色
ペンギンの腹は翡翠色
あの日あの時 ひしゃげたコガネムシ
自らに斧を当てたあの時みたいに
すっと
ならないまま
ずっと
重ね合って
そう そのまま ぼくの
こころはきっとそのいろ

楊先生の一言コメント:心地よいリズム感、言葉の「量」に圧倒される。括弧の部分の説明は省いても良いかな、、、

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