作品6

投稿作品を掲載いたします。

題:「塔」

静けさの中 積み立てていく
何段にも 積み上げていく
ユラユラと不安げに揺れる僕の塔
息を殺し 神経を研ぎ澄ます
勝手に揺れる指先に歯を食い縛る
最後の一つ 頂へ登る 完成への一手
 
 鼻から全身の空気を抜き 見据えた

 それは 巨きく 誇らしげに そびえていた
達成感に顔が緩んでいくとともに ムクムクと欲望が湧いてくる
 ”これですべてが完成だ”

壊した 崩した 積み上げてきたもの全て 一息に
虚しさを隠した高揚感が僕を包む
 ”ああ、満足だ”

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