第五位 房思琪(ファンスーチー)の初恋の楽園

●あらすじ

これは誘姦された話ではなく、 犯罪者のこと好きになった一人の女の子の話。愛のためなら、何をされても大丈夫と思った彼女は、最後、狂ってしまった。  

●批評

13 歳、 人格はまだちゃんと 構築されていない年に、 性虐待をされて、愛と性への想像が一瞬に奪われてしまった彼女はこの人を愛するしかないと思った。  

こういう考えをしたのは台湾南部の純朴な環境、貞操観念への執着かも知れない。 愛を認めてくれない周りの人と愛する人が姿を消してしまったことが、彼女の初恋の想いを潰してしまった。 奥行き深いけど、嘔吐の気分がこみ上げてくる一冊だった。