●あらすじ
2060年、3度目のオリンピックが迫東京
そこでは人型ロボットを使った国家的極秘プロジェクトが進んでいた。
身の分身ロボット「三号」を利用し、プロジェクトメンバーとして奮闘する健は、同僚で幼馴染の陽一郎の妹、咲に淡い恋心を抱いてた。そんな中咲の勤務先にテロ予告が届き事態は急変する。果たしてテロを防ぐことは出来るのか、健の恋心は叶うのか、そしてその裏で動いていた驚愕の事実とは…?
●批評
背景の時代、技術の進歩など本当に有り得るかもしれないという絶妙のラインが独特の高揚感の元楽しめる作品。
物足りない文章と評する人がいるかもしれないが、逆に「細かく練った文章を荒く書いた」と解釈もでき、ゆったりとした時間を勢いで読ませる力のある一作である。 また今作には「ダブルミーニング」を用いた叙述が使われている。文中の伏線も真実に気づいている人、ミスリードされている人双方の裏付けとなりうる描写が多々。作品の鍵を握るタイトルも、読前と読後では受ける印象が何倍にも変わってくるだろう