●あらすじ

主人公が「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性と友達になる為、自分の職場で働くようあの手のこの手を使って誘導する所から始まる話です。

始めは、街のウワサにされたり、近所の小学生にからかわれていたり等、変わった女性と描かれていた「むらさきのスカートの女」ですが、話が続くにつれ彼女が人間味のあるまともな人間である事が分かっていきます。

ところが、女性と友達になろうとしていた主人公は、彼女への執着心が強まり行動を観察し続けている為、逆に主人公の狂気が露わになるというのが、魅力的な展開であると思います。

情景描写や登場人物の動作等も非常に詳細に描かれている為、「スカートの女を観察する主人公」→「主人公を観察する読者」という構図が出来上がるのも面白い点です。